サッカーアジア杯 準々決勝イランに敗れ日本はベスト4ならず

サッカーのアジアカップで日本は準々決勝でイランに1対2で敗れ、ベスト4進出はなりませんでした。

中東のカタールで開かれているアジアカップで3大会ぶり5回目の優勝を目指す世界ランキング17位の日本は3日の準々決勝で、アジアでは日本に次ぐ世界21位のイランと対戦しました。

前の決勝トーナメント1回戦から中2日での試合となった日本は先発メンバーを3人変更し、前田大然選手、守田英正選手、伊藤洋輝選手を起用しました。

守田英正 選手が先制ゴール

日本は前半28分、ゴール前に駆け上がった守田選手がボールを受けたあと、ドリブルで相手ディフェンダーをかわして右足でシュートを決めて先制しました。

イランに追いつかれる

しかし、後半に入ると高い攻撃力を誇るイランに主導権を握られ、10分には素早いパスから守備を崩されて失点し、1対1の同点に追いつかれました。

PK与え倒れこむ板倉滉 選手

さらに、終了間際には、守備の連係ミスから板倉滉選手がペナルティーエリア内で相手を倒したとしてファウルを取られました。

そして、ペナルティーキックで決勝点を奪われ、日本は1対2で敗れ、ベスト4進出はなりませんでした。

森保監督「交代カードうまく切れなかったのが敗因」

日本代表の森保一監督は「選手もスタッフもこの試合までいい準備をしてくれていたので、監督としてみんなの努力を結果に結び付けられなかったのは本当に残念だ。相手がパワーで押し込んでくるときにどうやって回避するかというところもそうだが、きょうの試合は私自身が交代カードをうまく切れなかったのが敗因かと思う」と振り返りました。

そのうえで「この大会はここで終わってしまったが、これからワールドカップに向けてアジア予選を勝ち抜く力をつけ、世界一という大きな目標に向かって1つ1つ頑張っていきたいと思う」と話していました。

“もの足りない結果”で大会終える

サッカーアジアカップで3大会ぶりの優勝を目指した日本は準々決勝敗退という“もの足りない結果”で大会を終えました。優勝候補の本命としてアジア各国から標的とされるなか、まだまだ改善点があることを突きつけられました。

日本は去年6月から国際試合で9連勝し、世界ランキングもアジア最高位の17位まであげて大会に臨みました。

優勝候補の本命という前評判でしたが、いざ開幕すると、アジアを引っ張る日本の戦い方を研究し、高いモチベーションで挑んでくる相手の勢いに押される試合が続きました。

1次リーグの初戦では、かつて日本代表を指揮したフィリップ・トルシエ監督が率いる世界94位のベトナムに逆転勝ちこそしたものの、一時リードされる苦しいスタートとなり、続く第2戦はイラクに同じような形から2点を奪われて敗れ、国際試合の連勝も10で止まりました。

森保一 監督と遠藤航 主将

第3戦でインドネシアに勝って、グループ2位で決勝トーナメントに進んだものの、キャプテンの遠藤航選手は「どんな相手であれ、勝つのは難しいということを思い知らされた」と振り返るなど、勝利を重ねた強化試合とは同じようにいかない現実を突きつけられました。

決勝トーナメントでは森保一監督が「相手の対策やモチベーションを打ち破っていく」と奮起を促す中、1回戦こそバーレーンに勝利したものの、準々決勝のイラン戦では、終始、主導権を握られ、後半に2点を失い、逆転負けしました。

今大会、日本は5試合すべてで失点し、守備面での課題が浮き彫りになりました。

ゴールキーパーはパリオリンピック世代の21歳、鈴木彩艶選手がすべての試合でフル出場し、高い身体能力をいかす場面もありましたが、ボールの処理をめぐって味方どうしでぶつかり、オウンゴールにつながるなど、周囲との連係を欠く場面が目立ちました。

冨安健洋選手(中央)遠藤航主将(右)

こうした負の連鎖は実績のある選手たちにも影響し、準々決勝でイランの決勝点につながるペナルティーキックを与えた場面では、ワールドカップの経験もある冨安健洋選手と板倉滉選手が交錯し、反則につながってしまいました。

今大会4得点 上田綺世選手

ただ、攻撃面では上田綺世選手がチームトップの4得点をあげたほか、主力として期待される堂安律選手や久保建英選手もゴールを決め、連勝中に見せてきた決定力を発揮した場面もありました。

今後はワールドカップを目指す予選を戦っていくことになります。

標的となる立場でアジアを戦う日本が今回の悔しい経験を糧に、どうレベルアップしていくのか、注目です。