イスラエル ガザ最南のラファに進軍の構え 100万人超が密集

イスラエルはガザ地区の最も南にあり、多くの避難民が逃れているラファにも軍を進める構えを示していて、国連やこれまでイスラエル寄りの姿勢を示してきたドイツのような国からも、人道危機がさらに深まりかねないと懸念する声が強まっています。

イスラエルのガラント国防相は1日、ガザ地区南部のハンユニスを訪れ「ハンユニスでの目標は達成しつつある。われわれはラファにも到達し脅威となるテロ勢力を排除する」と述べ、さらに南のラファへも軍を進める構えを示しました。

こうした中、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、イスラエル軍がラファを砲撃し、28人が死亡したと3日、伝えました。

エジプトと接しガザ地区で最も南にあるラファの人口はもともと27万人余りでしたが、イスラエル軍の攻撃を受けて、北部や中部から大勢の住民が逃れてきたために、今では100万人以上が密集しているとされています。

ガラント国防相の発言を受け、OCHA=国連人道問題調整事務所の報道官は、2日の記者会見で「ラファは絶望の圧力釜だ。次に何が起きるのかを恐れている」と述べ、人道危機がさらに深まりかねないと懸念を示しました。

さらに、これまでイスラエル寄りの姿勢を示してきたドイツのベアボック外相も、3日公開された地元メディアのインタビューで「ガザ地区で最後の、そして最も過密な場所であるラファで行動を起こすことは、正当化されるものではない」と述べて、反対する考えを示し、懸念の声が強まっています。