参院本会議 代表質問 政治資金問題や能登半島地震対応で論戦

国民民主党の榛葉幹事長は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「突如、岸田派の解散を宣言したが、それは問題の本質ではなく、論点をすり替えるべきではない。問われているのは改革の実効性だ。どのように真相を究明し、問題をどうただし、誰がどのような政治責任を取るべきと考えるか」と追及しました。

これに対し岸田総理大臣は「党としても政治資金収支報告書の訂正状況を把握し、関係者への聴き取りを行い、不記載の実態の把握に努めていく。あるべき政治責任については、こうした事実関係の可能なかぎりの把握などの手順を踏みながら党として対応を考える」と述べました。

共産党の田村委員長は「主要派閥がそろって収支報告書を偽造していた自民党ぐるみの違法行為だ。『裏金』が何に使われ、いつからシステム化されたかなど全容解明が不可欠で、洗いざらい明らかにすることが党総裁としての責任だ」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「各政策集団や議員側の政治団体で収支報告書の訂正作業が順次行われており、私の指示のもと、状況を把握し、関係者の聴き取りを行っていく。その進捗（しんちょく）状況を踏まえながら、党として必要な説明責任を果たしていく」と述べました。

立憲民主党の田島麻衣子氏は「現在、岸田内閣を支える政務三役はすべて政治資金関連の問題とは無縁との理解でよいか。今後、問題が指摘された場合はどう責任を取るのか」と迫りました。

これに対し岸田総理大臣は「政治資金の取り扱いに疑念を持たれないようにするのは当然で、問題があることを前提とした人事は行っていない。内閣として今後一層の緊張感を持って与えられた課題に全力で取り組んでいく」と述べました。

また、田島氏は「違法にためたお金でも、銀行口座に残っていたり、事務所の金庫に保管されたりしていれば『裏金』とは言わないのか」とただしました。

岸田総理大臣は「多額のパーティー収入が収支報告書で不記載となっている中で『裏金』との指摘がされていることは真摯（しんし）に受け止めなければならない」と述べました。

自民党の岡田参議院幹事長代行は、能登半島地震の対応をめぐり「東日本大震災や熊本地震などに匹敵する甚大な被害を地域にもたらしている。被災者のきめ細かなニーズや地域の再生に対応していくための『復興基金』の創設は考えているか」と質問しました。

これに対し岸田総理大臣は「予算の制約により震災対応をちゅうちょすることがあってはならない。被災者のきめ細かなニーズに対応しつつ、ビジョンに沿った復旧・復興に取り組めるよう『復興基金』の必要性も含め適切に判断したい」と述べました。

れいわ新選組の木村英子氏は、障害がある人もない人もすべての人に配慮した防災対策を目指す「インクルーシブ防災」に関連し、「誰1人取り残さない防災や復興を実現するため、あらゆる協議会や会議体には障害者をはじめとする当事者を必ず参加させるよう求めたい」と訴えました。

これに対し岸田総理大臣は「防災政策の検討過程などで障害者や女性、高齢者などの参画を促進し、多様な視点を取り入れることは重要だ。今後もさまざまな立場の当事者が参画する意義を十分に踏まえ『インクルーシブ防災』の推進を図っていく」と述べました。

一方、能登半島地震を受けて北朝鮮のキム・ジョンウン（金正恩）総書記から送られた見舞いのメッセージについて、岸田総理大臣は「多くの国や地域からお見舞いなどを受けており、キム総書記からのメッセージにも感謝の意を表明した。北朝鮮側の政治的意図について答える立場にはないが、日朝ピョンヤン宣言に基づき諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化の実現を目指すとの立場には変わりはない」と述べました。