自民 政治資金 関係議員聴き取り開始 全議員アンケート実施へ

自民党は、派閥の政治資金パーティーの問題を受けて、党幹部が関係議員を対象に、キックバックの金額や使いみちなどの聴き取りを始めました。また、来週すべての党所属議員を対象に収支報告書に記載していなかった、派閥のパーティー券収入の有無を確認するアンケートを行うことになりました。

今回の問題を受けて、自民党は、森山総務会長や渡海政務調査会長、小渕選挙対策委員長ら6人の党幹部が、安倍派などの関係議員80人余りを対象に聴き取りを行うことにしています。

複数の党幹部によりますと、聴き取りは2日から始まり、森山氏らが都内のホテルで二階派の議員に対して、派閥からキックバックを受けた金額や使いみちなどを確認し、3日以降は、安倍派の議員と岸田派の幹部も対象に行う予定だということです。

また自民党は、野党側の要求も踏まえ、来週、すべての党所属議員を対象に収支報告書に記載していなかった、派閥のパーティー券収入の有無を確認するアンケートを行うことになりました。

自民党は、聴き取りやアンケートを行うことを通じて、問題が起きた背景などを把握し、再発防止策の検討や党改革の議論につなげるとともに、国会審議への影響を最小限にするねらいがあるものとみられます。

岸田首相「党としても説明責任を果たしたい」

岸田総理大臣は2日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「今、関係者により、政治資金収支報告書の修正が順次行われているが、党としても実態把握をすべく、党役員が中心になって外部の有識者にも参加してもらい、聴き取りを行うよう指示を出していたところで、2日スタートしたと報告を受けている。今後できるだけ速やかに作業を進めていく」と述べました。

その上で「進ちょく状況を踏まえながら報告を受けたいと思っているが、それを受けて党としても説明責任を果たしていきたいと考えている」と述べました。

岸田首相「アンケートできるだけ早く行う」

岸田総理大臣は、自民党のすべての所属議員を対象にしたアンケートの実施について「内容の調整など準備を進めている。できるだけ早く行う」と述べました。

立民 泉代表「透明性を高める聴き取りを行うことが必要」

派閥の政治資金パーティーの問題を受けて、自民党が2日から関係議員を対象に聴き取りを始めることについて、立憲民主党の泉代表は、記者会見で「議員が議員から聴き取れば、そんたくや遠慮が働くかもしれず、透明性を高める聴き取りを行うことが必要だ。調査対象でない議員から問題が出てくる可能性もあり、調査対象を絞るのは失敗しているのではないか」と指摘しました。

そのうえで「もし誠実な回答がなければ、岸田総理大臣はうそつきだと言わなければならない」と述べ、新年度予算案の実質的審議が始まる今月5日までに、自民党のすべての議員を対象にして、調査結果を国会に提出するよう重ねて求めました。

また、泉氏は、安倍派の複数の議員が、衆参両院の憲法審査会の委員になっているとしたうえで、「法律を守っていない人たちが憲法審査会にいる資格はない。裏金に関与した議員は委員を辞任してもらいたい」と述べました。

共産 田村委員長「調査は野党の追及と国民の怒りの反映」

共産党の田村委員長は記者会見で「今までは『議員本人や派閥が説明する』とかわしていたが、自民党として調査が必要だという考えに変わったのは、国会での野党の追及と国民の怒りの反映だ。中途半端な聴き取りで終わらせるわけにはいかず、いつ、誰にお金が渡ったのか、誰が管理し何に使ったのか、すべてを明らかにしていくことが大きな課題だ。収支報告書の訂正だけで幕を引くことはありえない」と述べました。