新潟 おととしの三幸製菓工場火災 代表取締役ら4人を書類送検

おととし2月、新潟県の菓子メーカー「三幸製菓」の工場が全焼し6人が死亡した火災について警察は、乾燥機の中にたまったせんべいのかけらから火が出たとしたうえで清掃を徹底させないなど会社の安全管理に問題があったとして、業務上過失致死傷の疑いで会社の代表取締役ら4人を書類送検しました。

おととし2月、新潟県村上市にある「三幸製菓」の工場から火が出て全焼し、アルバイト従業員4人を含む6人が死亡し、1人がけがをしました。

警察は本社を捜索するなど、出火の原因を捜査していましたが、警察によりますと、せんべいを焼く工程にある乾燥機の中にたまったかけらが高温になり火が出たことがわかったということです。

現場の工場では以前からせんべいのかけらなどが焼ける火事が複数回起きていて、4人は危険性を認識しながら機械の清掃を徹底させるなど、かけらがたまるのを防ぐ対策を怠った疑いがあるということです。

また、火災が起きた深夜の時間帯は初期消火への対応や避難誘導の訓練なども十分ではなかったとみられるということです。

このため警察は会社の安全管理に問題があったとして「三幸製菓」の代表取締役や当時の製造本部長など4人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。

警察は4人の認否を明らかにしていません。

三幸製菓「関係当局の捜査に全面的に協力」

代表取締役らが書類送検されたことについて三幸製菓は、「再発防止策を確実に履行し、安全安心な商品製造と再発防止に全社をあげて取り組むとともに、引き続き関係当局の捜査に全面的に協力していく所存です」などとコメントしています。

新潟労働局 三幸製菓と代表取締役を書類送検

この火災について新潟労働局も2日、必要な防火措置を取らなかったとして会社としての「三幸製菓」と代表取締役を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。

新潟労働局によりますと、乾燥機にたまるせんべいのかけらが高温にならないよう、周囲の熱を遮断する対策が取られていなかったということです。

遺族「責任と罪を重く受け止めてほしい」

今回の火災で親族を亡くした遺族が今の心境を語りました。

伊藤美代子さん(68)の長男は「書類送検されてやっと一段上がったという気持ちです。ただまだ始まったばかりだと思うので、検察が出す処分の結果を待ちたいです。三幸製菓には、もっと従業員から聞き取りなどを行い、改善できることがあったのではないかと今でも思います」と話していました。

また、近ハチヱさん(73)の長男夫婦は、「送検されてこれからどんな処分が出ても大事な大事なお母さんが帰ってくるわけではありません。1つ区切りついたとは思いますが、これから先をしっかり見届けていこうと思います。静かにお母さんの遺影に伝えたいです。経営陣は責任と罪を重く受け止めてほしいです」とコメントしています。