ウクライナ政府の担当者ら 福島訪問 廃棄物の保管や処理を視察

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、大量のがれきの処理が課題となる中、ウクライナの政府や自治体の担当者が福島県大熊町を訪れ、廃棄物の保管や処理に向けた作業が行われている現場を視察しました。

視察は、ウクライナの復興支援を続けているJICA=国際協力機構が企画したもので、ウクライナ政府のほか、南部ヘルソン州などの担当者8人が参加しました。

担当者らは、福島県大熊町の帰還困難区域にある廃棄物の仮置き場を訪れました。

この施設には、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて住宅などの建物が解体された際に出た廃棄物が、コンクリートや金属といった種類ごとに分別されています。

一行は、廃棄物の保管の状況や、木材を機械で細かく破砕して処理場に運搬するための作業を視察しました。

ウクライナ政府の担当者によりますと、ウクライナでは、ロシアによる軍事侵攻が始まって以降、破壊された建物のがれきなどが仮置き場に大量に保管されていますが、処理は十分進んでいないということです。

復旧や復興に携わっているウクライナ政府の担当者は「ウクライナではがれき処理の経験は少なく、日本での経験は貴重だ。仮置き場の運営や処理の流れを実際に見ることができ有意義だった」と話していました。

JICA地球環境部の古賀藍さんは「現場で見たことを持ち帰って現地での処理に役立ててほしい」と話していました。

ウクライナの復興を巡っては、日本政府が今月19日にウクライナ政府の関係者を東京に招いて会議を開くことになっています。