三井物産 ロシアでの事業損失120億円余の引き当て 決算に計上

ロシアのLNG=液化天然ガスの開発プロジェクトの事業会社がアメリカ政府の制裁の対象になったことをめぐり、この事業に出資する大手商社の三井物産は、損失を見込んだ120億円余りの引き当てを今年度の決算に計上したと発表しました。

三井物産などが出資し、ロシアの北極圏で進められているLNGの開発プロジェクト「アークティックLNG2」をめぐっては、アメリカ政府が去年11月に事業を行うロシア企業を制裁の対象に加えました。

こうしたことを受けて、三井物産は2日発表した去年12月までの9か月間の決算で、損失を見込んだ123億円の引き当てを計上したことを明らかにしました。

このプロジェクトは当初の計画では去年までにLNGの供給が開始される予定でしたが、制裁措置による影響が避けられない見通しとなっています。

オンラインで会見した重田哲也CFOは「制裁の措置を順守することが最優先で、日本政府など関係者と連携して対応していきたい」と述べました。

一方、ことし秋のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が共和党の候補となり再選した場合の影響について、「非常に注視している。どういう案件でマイナスが見込まれるかまで今は至っていないが、補助金税制による後押しなどルールが突然変更されることが1番懸念される」と述べました。