被災者の減税措置 住民税など1年前倒しで適用 閣議決定 政府

政府は、能登半島地震の被災者に対する税制面の支援策を2日の閣議で決定しました。自宅や家財の被害に応じて、所得税や住民税を減税する措置を1年、前倒しして適用することなどが盛り込まれています。

政府が2日、閣議決定した能登半島地震の被災者に対する税制面の支援策では、災害で自宅や家財に被害が出た際に、損失額に応じて所得税や住民税を減税する「雑損控除」という措置を今回は1年、前倒しして適用します。

今回の地震は、ことしに入って発生したため、本来は、ことしの所得をもとに減税されることになりますが、今月から確定申告が始まる去年の所得に適用できるようにして、生活の再建を支援します。

源泉徴収で納税している給与所得者も申告すれば去年の納税分から還付を受けられるようにします。

また、被害について雑損控除の適用を申告せず、「災害減免法」にもとづいて減税や免税を受ける場合も、同様に去年の所得に税の減免を適用します。

政府・与党は、通常国会に必要な法案を提出し、早期の成立を図ることにしています。

政府は、これまでに石川県と富山県のすべての市町村を対象に国に納める税金の申告や納付などの期限を自動的に延長する措置も実施しています。

鈴木財務相「国税庁で手続きなど 周知や広報を」

鈴木財務大臣は閣議のあとの記者会見で「地震の被害が広範囲かつ甚大であることや発生が1月だったことなどを勘案し、臨時、異例の対応として、特別措置を講じることとした。こうした措置を通じて被災者の生活再建に向けた資金繰りの円滑化や負担の軽減を図っていく。今回の特例を円滑に活用してもらえるように法案の国会提出前であっても国税庁で内容や手続きなどについて周知や広報を行っていきたい」と述べました。