【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻 (2月2日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる2日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ軍総司令官 無人機などさらに活用する必要性強調

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、ロシアとの戦闘の継続に必要な欧米からの軍事支援について、各国の不安定な政治情勢が支援の縮小につながっているとしたうえで、今後は無人機など安くて効果的な技術をさらに活用する必要性があると強調しました。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官を巡ってはゼレンスキー大統領とのあつれきも指摘され、欧米やウクライナの複数のメディアは、ゼレンスキー大統領がザルジニー総司令官を交代させようとしていると伝えています。

こうした中、アメリカのCNNは1日、ザルジニー総司令官の寄稿文を公開しました。

この中でザルジニー総司令官は「ウクライナを取り巻く不安定な政治情勢が軍事支援の縮小につながっている」として、欧米側の政治情勢によってウクライナへの軍事支援が停滞することや、イスラエルやイエメンなど中東情勢の緊迫化によってウクライナ情勢への関心が薄れていくことに強い懸念を示しました。

また、双方の兵力についてロシア軍が人的資源で「大きな利点がある」とする一方で、ウクライナでは兵士の追加動員など戦力の増強が困難な状況に陥っているという認識を示しました。

そのうえで、ロシアとの戦いでウクライナが優位に立つための戦略について「比較的安く、近代的で、極めて効果的な兵器を使いこなすことが大切だ」として、今後は無人機など最新技術をさらに活用する必要性があると強調しました。

ザルジニー氏の交代についてウクライナ国防省は否定していますが、今後を巡っては、さまざまな臆測が広がっています。

米司令官“ウクライナを支援で中国を抑止”

アメリカ・インド太平洋軍の次の司令官に指名されたパパロ太平洋艦隊司令官は1日、指名の承認に向け、議会上院・軍事委員会の公聴会に出席しました。

この中で、パパロ氏は、中国が、アメリカのウクライナへの関与を注視しているとの考えを示した上で「ロシアの軍事侵攻の失敗は西太平洋における抑止に直結する」と述べました。

そして、リード委員長から「今、われわれにできる、最も断固とした対応は、ウクライナへの軍事支援を可能にする追加予算を承認することか」と問われたのに対し「そのとおりだ」と答え、アメリカは中国の動きを抑止するためにもウクライナへの支援を続けるべきだとの考えを強調しました。

アメリカは、ウクライナにとって最大の軍事支援国ですが、議会の与野党の対立で支援の継続に必要な緊急予算が承認される見通しが立っておらず、戦況への影響が懸念されています。

ウクライナ国防省 「ロシア軍のミサイル艇を撃沈」と発表

ウクライナ国防省の情報総局は1日、クリミア西部でロシア海軍黒海艦隊のミサイル艇「イワノベツ」を撃沈したと発表しました。

前日にもクリミアや黒海の上空にウクライナのミサイルが飛来しロシア国防省が迎撃したと発表していて、東部の戦況がこう着する中、ウクライナ側はクリミア周辺への攻撃を強めているとみられます。

一方、ロシア連邦捜査委員会は1日、ロシア西部で先月24日に墜落したロシア軍輸送機をめぐり、搭乗していたとするウクライナ兵65人などの遺体をDNA鑑定で確認したと発表しました。

さらに輸送機はウクライナ軍がアメリカから供与された地対空ミサイルシステムパトリオットによって撃墜されたとして、現場で回収したとする「パトリオット」の文字が入った部品の画像も公開しました。

ロシアとしては輸送機の墜落を理由にウクライナを支援する各国への揺さぶりをかけるねらいがあるものと見られ、ロシア下院は1日、アメリカ議会に宛ててウクライナへの支援の打ち切りを求める決議を可決しています。