2月3日は節分「恵方巻き」にも注意が必要

2月3日は、節分です。
窒息事故に気をつけないといけないのは、かたい「豆」だけではありません。無言でかぶりつく「恵方巻き」にも注意が必要です。

みんなで楽しく節分を楽しめるよう、安心・安全につながる情報をお伝えします。

豆だけじゃなかった

記者会見で自見消費者担当大臣が呼びかけたのは節分の「豆」と「恵方巻き」への注意です。

自見消費者担当大臣(1月23日)
「恵方巻きは、窒息事故を防ぐため、特に高齢者や小さな子どもは小さく切り分け、よくかんで食べきるようにしてほしい。豆は喉に詰まらせるなどのリスクがあるので5歳以下には食べさせないようにお願いいたします」

ポイント
かたい「豆」やナッツ類は、のどや気管に詰まらせて窒息したり、小さなかけらが気道に入り肺炎を起こしたりするリスクがあるため、5歳以下の子どもには食べさせない

・「恵方巻き」も、ごはんは粘着性が高く、1度にたくさん詰め込み、よくかまずに飲み込むと危険。のりも、だ液を吸収して飲み込みづらくなることがあるので注意が必要。

消費者庁は、かむ力や飲み込む力が弱い場合は、恵方巻きを小さく切り分けることや、よくかんでゆっくりと食べること周囲の人が見守りを行うことを呼びかけています。

餅だけでもなかった

福島県の郡山地方広域消防組合も、恵方巻きを食べる際は注意するよう、ホームページやSNSで呼びかけています。

令和4年までの10年の間に食事中の窒息事故で搬送した191人について調べた結果も掲載しています。

判明した原因で最も多かったのは「餅」の24人で、「パン」、「おかゆ」に次いで、「すし・おにぎり」も4番目に多い10人にのぼりました。

万が一、窒息した場合には、どうすればいいのか

消防は、119番通報するとともに、対処するべき方法を紹介しています。

郡山地方広域消防組合 YouTubeより

1.背部叩打法
手のひらで背中の左右の肩甲骨の中間あたりを力強く何度も叩く

2.腹部突き上げ法
それでも食べ物が除去できないときには、窒息した人のうしろに回り、握りこぶしで腹部を圧迫してはき出させる
※妊婦や乳児には行わない

3.呼びかけに応じない場合は、すぐに心肺蘇生法を行う

郡山地方広域消防組合消防本部 吉田武司さん
「恵方巻きは、しゃべらずに黙々と食べること自体が、窒息の観点からするとリスクが高いです。各家庭で、安全に配慮した上で、豆まきや恵方巻きを楽しんでほしいです」

安全に楽しむためには

「恵方巻き」をより安全に食べるためには、どうすればいいのか。

かむ力や飲み込む力が弱い高齢の人や障害がある人は、市販の恵方巻を小さく切っただけでは食べることが難しい場合もあります。

障害のある子どもが通う施設を運営する管理栄養士の大高美和さんに聞きました。

・かむ力や飲み込む力の程度に合わせ、ふだんの食事の形態と同じようにご飯や具材をやわらかくしたり、ペースト状にしたりして、介護施設でも「行事食」として提供されていることが増えている

・恵方巻きは、のりや具材がかみ切りにくいため、例えば「のり」であれば、穴をあけてかみ切りやすくしたり、刻みのりを使う方法がある

・のりの代わりに、薄焼き卵やとろろ昆布を巻いて食べやすくする場合も

例えば、こちらの手前の「恵方巻き」は、かむ力が弱い人でも食べやすいよう、やわらかく炊かれたごはんのほか、細かく刻まれた具材が巻かれています。

のりは、きざみのりをお湯でふやかして、かみきりやすくしているそうです。

7種類の具材が食べやすいよう細かく切り刻まれている

大高美和さん
「『恵方巻きは食べられない』と思っている方もいるかもしれませんが、専門家に相談した上で、それぞれの食形態に応じた恵方巻きを楽しむことはできます。丸かじりするのが難しければ、恵方巻き風のどんぶりにして提供することもできます。障害があっても、高齢になっても、季節のものを食べる楽しみを味わってほしいなと思います」

安全に何よりも気をつけながら、それぞれの食事のスタイルで、恵方巻きを楽しんで下さい。

ちなみに、ことしの恵方は「東北東」だということです。