あおぞら銀行 今年度業績予想 一転 280億円の赤字見通し

あおぞら銀行は今年度の業績予想を下方修正し、最終的な損益がこれまでの黒字予想から一転して280億円の赤字になるという見通しを発表しました。赤字になれば15年ぶりで、厳しい状況が続くアメリカの商業用不動産向けのローン事業で損失に備える引当金を積み増したことが主な要因です。

あおぞら銀行は1日、今年度1年間のグループ全体の業績予想を下方修正し、最終的な損益が当初見込んでいた240億円の黒字から280億円の赤字になる見通しだと発表しました。

通期で赤字になれば、リーマン・ショックの影響を受けた2008年度以来、15年ぶりです。

新型コロナの感染拡大以降、リモートワークが普及したことで、アメリカの商業用不動産向けのローン事業を取り巻く経営環境が厳しさを増し、損失が出ることに備えて、引当金を積み増したことが主な要因です。

また、アメリカの金利上昇の影響で、保有する債券などに含み損が発生していることから、これらを売却することによる損失も計上する見込みだとしています。

一方、会社はことし4月に社長を交代する人事も発表し、今の谷川啓社長が退任して大見秀人副社長が昇格します。

会社では新たな経営体制のもとで、来年度・2024年度は最終黒字を目指すとしています。