能登半島地震後 震源域から離れた金沢などでも地震活動活発に

石川県で震度7の激しい揺れを観測した先月1日の大地震のあと、能登半島の周辺では震源域から離れた金沢市や富山湾でも地震活動が活発になっていることが専門家の分析で分かりました。震源域周辺だけでなく、広い範囲で地震の揺れや津波に注意が必要だと呼びかけています。

地震のメカニズムに詳しい東北大学の遠田晋次教授は、先月1日の能登半島地震の前後で体に揺れを感じない地震も含めて地震活動がどのように変化したか分析しました。

一日当たりの発生回数を地震前のおよそ2年間と比べたところ
▽震源に近い能登半島と震源の西側の沖合で100倍以上
▽震源の東側の新潟県佐渡島で数倍に増えていました。

さらに、震源域から離れた富山湾で数十倍、金沢市や富山市でもおよそ10倍となっています。

遠田教授は大地震で断層がおよそ100キロ以上ずれ動いたことで周辺にもひずみが加わり、地震活動が活発になったとみられるとしています。

大地震によるひずみが広範囲に及んでいることから、震源域の周辺以外でも以前より地震が起きる可能性が高くなっていると考えられるとして注意を呼びかけています。

遠田教授は「小さな地震がたくさん起こっている時には規模の大きな地震も起こりやすくなる。体に感じないような地震が活発化している、震源から離れた地域も含めて注意が必要だ。強い揺れに加えて、震源が海域の場合は津波が発生するおそれもあり、改めて備えを確認してほしい」と話しています。