新潟市 り災証明書 2月1日時点 申請の8%の発行にとどまる

新潟市では支援を受けるために必要なり災証明書の発行に向けた調査が予定よりずれ込み1日時点で発行は申請の8%にとどまっています。これについて新潟市は、り災証明書を郵送から窓口での発行へと変更するのに時間がかかったと説明しています。また、調査結果を入力する方法も紙の調査票を使うシステムだったため、タブレットを使う方式に切り替えました。

り災証明書の申請があった場合、自治体は被害を受けた家屋やアパートなどの被害状況を調べ「全壊」や「大規模半壊」など被害の度合いを判定します。

支援を受けるうえで必要となる書類です。

新潟市はこの調査を、当初1月いっぱいで終わらせる予定でしたが今月までずれ込みました。

1日時点で、1万1495件の申請に対し、調査終了は1万1272件で、発行は932件と申請の8%ほどにとどまっています。

新潟市によりますとこれまで調査の際は、結果を現場で紙に記録し、終了後に役所でパソコンで入力するという従来のシステムだったため、時間がかかっていました。

一方、新しいシステムは調査員がタブレットを持ち歩きその場で結果を入力するものでもともと新年度に入れ替える予定でしたが、時期を早めて1月15日に導入したところ調査のペースは早まったということです。

また、り災証明書は従来は郵送していましたが、窓口での交付に変更し、その準備に時間がかかったと説明しています。

1日からは交付する窓口を増やすなどの対応を進めています。

新潟市資産税課の本間隆課長は「市内の被害は液状化が多く、り災証明書を待つ方がたくさんいるので、少しでも早く届けられるように判定作業と証明書の発行を急いでいきたい」と話していました。

弁護士などの相談会 さまざまな相談寄せられる

新潟市で能登半島地震で被災した人を対象に、支援制度や地震被害が発端となったトラブルなどについて弁護士などによる相談会が開かれ、訪れた人からは、液状化による被害が関係した隣人トラブルなど、さまざまな相談が寄せられていました。

新潟市西区のショッピングモールで開かれた相談会には弁護士のほか、行政書士や司法書士、税理士も集まり、事前に予約した人を中心に相談に応じていました。

相談の内容は地震による被害が発端の困りごとが多く、70代の女性は液状化の影響で隣の家のブロック塀が自宅に向かって傾いていることについて相談していました。

女性が「住民どうしで話し合うと関係性に亀裂が入るおそれもある」と話したところ、弁護士は「基本的にはブロック塀を作った側に責任はあるが、地震の場合、賠償の責任がなく、市の支援制度の対象になることもある。市にも確認してはどうか」と答えていました。

このほか、60代の女性は、購入したばかりのマンションで上の階の水道管が壊れて水漏れが起き、業者から修理費用を請求されたがどうすべきかと相談していました。

新潟県弁護士会の原田宏一副会長によりますと、地震発生直後は自宅再建に向けての相談がほとんどでしたが、日がたつにつれて隣人トラブルなど、相談の内容は多様化しているということです。

そのため、り災証明書の受付場所に弁護士が巡回し、相談に乗れる態勢を作って対応を強化しています。