イスラエル ネタニヤフ首相 “役割終わった” UNRWA解体求める

イスラエルのネタニヤフ首相は31日、東欧などの国連大使団と面会し、パレスチナのガザ地区で活動する国連機関のスタッフがイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に関与した疑いが出たことについて「役割は終わった」と述べ、この機関の解体を求めました。

ガザ地区では、31日も南部ハンユニスなどでイスラエル軍による攻撃が続き、パレスチナ赤新月社はハンユニスのアマル病院に複数の死傷者が搬送されたとしています。

ガザ地区の保健当局はアマル病院などでは蓄えてあった食べ物が底をつき、人々の命が脅かされていると訴えていて、イスラエル軍の攻撃によりこれまでに2万6900人が死亡したとしています。

こうした中、ガザ地区の支援を担っている国連機関、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のスタッフが、去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与した疑いが出たことを受けて、UNRWAへの資金拠出の一時的な停止を表明する国が相次いでいます。

イスラエルのネタニヤフ首相は31日、エルサレムで東欧などの国連大使団と面会し「国際社会と国連は、UNRWAの役割が終わったと認識するときがきた。ガザの問題を解決するには別の援助機関が必要だ」として組織の解体を求めました。

一方、アメリカ国務省の高官は31日、ブリンケン国務長官が近くイスラエルや周辺国などを訪問することを明らかにしました。

今回の訪問ではアメリカやカタールなどの仲介で行われているイスラエルとハマスの間での人質の解放と戦闘休止に向けた交渉などについて協議するものとみられます。

ブリンケン長官が中東を訪問するのは去年10月にイスラエルとハマスの衝突が始まって以降5回目です。