【被害状況 2月1日】石川県で240人死亡

石川県によりますと、県内で死亡が確認された人の数は1日午後2時の時点で、1月31日から2人増えて、240人となっています。

市町ごとにみますと
▽輪島市で2人増えて103人
▽珠洲市で101人
▽穴水町で20人
▽能登町で8人
▽七尾市で5人
▽志賀町で2人
▽羽咋市で1人となっています。

このうち、「災害関連死」の疑いは
▽珠洲市で6人
▽能登町で6人
▽輪島市で3人の
合わせて15人となっています。

内閣府によりますと、「災害関連死」は地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気が悪化したり体調を崩したりして、命が失われるケースを言います。

また、重軽傷者は県内全体で1179人にのぼっています。

【避難】

石川県によりますと、避難所に避難している人は、1日午後2時の時点で522か所で合わせて1万4431人となっています。

自治体別にみると、
▽金沢市が3か所で14人
▽七尾市が36か所で1138人
▽輪島市が87か所で2745人
▽珠洲市が44か所で1483人
▽羽咋市が1か所で42人
▽かほく市が1か所で20人
▽津幡町が1か所で15人
▽内灘町が2か所で79人
▽志賀町が29か所で824人
▽宝達志水町が1か所で2人
▽中能登町が1か所で22人
▽穴水町が30か所で911人
▽能登町が49か所で937人となっています。

また、別の市や町から避難して来る人を受け入れる、17か所の「広域避難所」などに避難している人は合わせて967人です。

被災者を一時的に受け入れる「1.5次避難所」に避難している人は3か所で合わせて288人です。

このほか旅館やホテルなどの「2次避難所」に避難している人は217か所で合わせて4944人です。

【住宅被害】

石川県によりますと、1日午後2時現在で、県内では能登地方を中心に4万7915棟の住宅で被害が確認されました。

自治体別の内訳は、
▽金沢市で全壊、半壊、一部破損が合わせて4074棟
▽七尾市で全壊、半壊、一部破損が合わせて1万1465棟
▽小松市で、全壊が1棟、半壊が40棟、一部破損が1601棟
▽輪島市で、全壊、半壊、一部破損が合わせて2141棟
▽珠洲市で、全壊が2316棟、半壊が1221棟、一部破損が1691棟です。

また、
▽加賀市で全壊が7棟、半壊が18棟、一部破損が1154棟
▽羽咋市で全壊、半壊、一部破損が合わせて2000棟
▽かほく市で全壊、半壊、一部破損が合わせて1118棟
▽白山市で一部破損が193棟
▽能美市で全壊が1棟、半壊が8棟、一部破損が817棟
▽野々市市で一部破損が20棟
▽川北町で一部破損が12棟
▽津幡町で全壊、半壊、一部破損が合わせて1300棟
▽内灘町で全壊、半壊、一部破損が合わせて1431棟
▽志賀町で全壊、半壊、一部破損が合わせて4749棟、床上浸水が6棟、床下浸水が5棟
▽宝達志水町で全壊、半壊、一部破損が合わせて853棟
▽中能登町で全壊、半壊、一部破損が合わせて2225棟
▽穴水町で全壊、半壊、一部破損が合わせて2448棟
▽能登町で、全壊、半壊、一部破損が合わせて5000棟となっています。

【停電】

北陸電力送配電によりますと、石川県の能登地方では午後5時の時点で、およそ2400戸が停電しています。

自治体別では
▽輪島市でおよそ1500戸
▽珠洲市でおよそ740戸
▽能登町でおよそ70戸
▽穴水町でおよそ40戸
▽七尾市と▽志賀町でそれぞれおよそ10戸となっています。

北陸電力送配電などは、土砂崩れなどで立ち入りが困難な場所や、建物に甚大な被害を受けるなど早期の復旧が見通せない一部の地域を除いて、停電はおおむね解消しているとしています。

輪島市や珠洲市でもおよそ9割の世帯に電気が届いているということで、現在、停電しているエリアについても道路などのアクセス改善に応じて着実に復旧を進めるとしています。

【断水】

石川県によりますと、1日午後2時の時点で、8つの市と町の合わせておよそ4万490戸で断水が続いているということです。

このうち、ほぼ全域で断水となっているのは
▽輪島市のおよそ1万戸
▽珠洲市のおよそ4800戸です。

また、
▽穴水町のおよそ2000戸
▽能登町のおよそ5000戸
▽七尾市のおよそ1万4200戸
▽志賀町のおよそ3800戸
▽羽咋市のおよそ60戸
▽内灘町のおよそ630戸で断水しています。

県は6つの市と町の水道の復旧時期の見通しを明らかにしていて
このうち
▽輪島市、▽穴水町、▽能登町では
いずれも今月末から来月末に仮復旧の見込みです。

▽珠洲市では今月末から順次、仮復旧する予定で、遅い地域では4月以降となる見込みです。

さらに
▽七尾市では、七尾市街、和倉地区、能登島地区を中心に4月以降となる見込みで、そのほかの地域では来月末までに仮復旧する見込みです。

▽志賀町ではおおむね今月末までに仮復旧し、一部で来月末となる見込みです。

県はこれらの6つの市と町ではおおむね、被災した浄水場の機能回復を終えて、水を流して漏水調査や修繕を行う作業に入っているとしていて、1日も早い復旧を目指すことにしています。

輪島 市ノ瀬町では地すべり 茶色い地層がむき出しに

石川県輪島市市ノ瀬町で住宅が巻き込まれる土砂災害が発生した現場をNHKが1月30日に上空からドローンで撮影した映像では、山の斜面が尾根付近から崩れて地すべりが発生していて、崩れた部分では茶色い地層がむき出しになっています。

土砂が流れ下った先では住宅が押し流されている様子も確認できます。

専門家による現地調査では、土砂が流れ下った距離はおよそ1キロに及んだことが分かっています。

また、斜面の途中には河道閉塞によって、大きな池のように水がたまっている場所もあります。

輪島 門前町 鹿磯漁港周辺 防波堤の一部崩れ漁船転覆

また、石川県輪島市門前町の「鹿磯漁港」の周辺をNHKが1月30日に上空からドローンで撮影した映像では、漁港の入り口にある防波堤の一部が崩れているほか、転覆している漁船も確認できます。

この漁港では専門家による現地調査で、地盤がおよそ4メートル隆起したことが確認され、ドローンの映像でも岸壁の土台部分がむき出しになり漁船が打ち上げられていることが分かります。

船を引き揚げる際に使う「斜路」と呼ばれる斜面部分も、隆起して使えない状態になっています。

また、漁港の北側の岩礁も盛り上がっていて、階段状の地形に変わっていました。

各地の寺にも大きな被害

能登半島地震では各地の寺にも大きな被害が出ました。

石川県珠洲市の寺では本堂が倒壊し、亡くなった人を悼む法要を本来の形ではできない状態が続いています。

珠洲市では各地の寺が大きな被害を受けていて、このうち、珠洲市正院町にある高福寺は築150年余りの本堂が倒壊しました。

寺の住職によりますと、1月の地震で門徒の2人が犠牲となったほか、地震のあとに亡くなった人もいましたが、地震から1か月たった今も本尊などが埋まったままで、本来の形の法要ができない状態です。

地震の影響で雨漏りなども続く中、法要を行う場合には、門徒の待機スペースに借りてきた仏具やいすを並べて対応しているということです。

高福寺の住職の波佐谷兼潤さんは「この1か月では状況は進展していないが、死に直面して悩んでおられる方もいると思うので、皆さんの安心を少しでも広げていけるよう、四十九日などに向けて準備していきたい」と話していました。