EU ウクライナからの輸入品 関税の停止措置を延長する方針

EU=ヨーロッパ連合は、ロシアからの侵攻を受けるウクライナへの支援として、ウクライナからの輸入品への関税を停止する措置を延長する方針を明らかにしました。一方でとくに輸入量が増えている一部の農産物について、一定の条件で関税を再び課すとするなど域内の農家の懸念に配慮する対応も示しました。

EUはロシアによる侵攻が始まった2022年から、ウクライナへの支援の一環として、ウクライナからの輸入品に対する関税を停止しています。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は1月31日、「戦争の重大な局面にあるいま、必要な支援策だ」として、この措置をさらに1年、延長する方針を明らかにしました。

一方、EU域内では、ウクライナから比較的安価な農産物が流入し、農家が損害を受けているとして、ハンガリーなどがウクライナからの農産物の輸入を禁止しているほか、フランスなどでも農家が抗議を行っています。

このためヨーロッパ委員会は今回、特に輸入が増えている砂糖と卵、鶏肉の3つの品目について、輸入が一定の量を超えれば関税を再び課すとするなど、農家の懸念に配慮した措置も導入するとしています。

侵攻が長引くなか、EUはウクライナ支援の継続と、域内に与える影響とのバランスをとる必要に迫られるようになっています。