能登半島地震1か月 半導体や電子部品メーカー 工場の復旧急ぐ

能登半島地震の発生から2月1日で1か月となりますが、工場の稼働が停止する影響が続く半導体や電子部品メーカーは、再開を目指して復旧作業を急いでいます。ただ、ホンダと日産自動車が一部の車種で生産調整を行う影響も出ています。

▽電子部品大手の「村田製作所」は石川県七尾市と穴水町、それに富山県氷見市にあるスマートフォン向けの電子部品などを手がける子会社の工場で稼働の停止が続いています。
建物や設備などが被害を受け、会社は、氷見市の工場は2月上旬から、七尾市の工場は3月上旬から、穴水町の工場は5月中旬以降の生産再開を目指すとしています。
会社は在庫の出荷や別の工場での代替生産などで対応していて、供給への影響を小さくするよう努めているとしています。

▽東芝のグループ会社「加賀東芝エレクトロニクス」は、自動車などに使われるパワー半導体を生産する石川県能美市の工場が稼働を停止しましたが、現在は順次、生産を再開しています。
2月上旬に被災前の生産の水準に戻すことを目指すとしています。

▽パワー半導体を組み込んだ「パワーモジュール」と呼ばれる自動車向けの製品を手がける「サンケン電気」は、石川県内に3つの工場があり、高いシェアを持っています。
3つの工場はいずれも地震の影響で稼働を停止しましたが、このうち、志賀町と能登町の工場の一部の生産ラインで操業を再開しました。
志賀町にあるもう一つの工場については、ほかの工場での代替生産を2月上旬から順次始める方針です。
ただ、3つの工場の全面的な再開の時期については見通しがたっていないということです。

経済産業省によりますと、被災地以外の地域にも部品などを供給する形でサプライチェーンに関わる企業については、およそ9割が生産を再開しているか、再開のめどが立っているということです。

ただ、部品の供給が滞るとして、ホンダは一部の車種ですでに生産調整を行っているほか、日産自動車も今後、一部の車種で生産調整を行う予定だとしています。