政治資金問題 安倍派2人の政務官の辞任と後任を決定 政府

自民党の安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題で、派閥に所属する小森卓郎 総務政務官と、加藤竜祥 国土交通政務官が収支報告書に記載していない収入が新たに明らかになったとして辞任しました。

この問題で、政府は先月、安倍派に所属する15人の政務三役のうち、10人を交代させた一方、残る5人の政務官は本人の意向などを踏まえ続投させていました。

こうした中、安倍派に所属する小森卓郎 総務政務官と、加藤竜祥 国土交通政務官は収支報告書に記載していない収入があったことが新たに明らかになり、責任をとりたいとして、31日、辞表を提出しました。

これを受けて政府は、持ち回りの閣議で、2人の辞任を決定しました。

また、2人の後任については、
▽総務政務官に、自民党の西田昭二衆議院議員を、
▽国土交通政務官に、自民党の尾崎正直衆議院議員をそれぞれ起用することも決定しました。

西田総務政務官 “被災地の復旧・復興取り組んでいく”

新たに総務政務官に就任した西田昭二氏は、総理大臣官邸で記者団に対し「岸田総理大臣からは『しっかりと頑張ってほしい』と言われた。私の地元は、能登半島地震の被災地であり、通信や郵便局の再生など、復旧・復興のために全力を挙げて取り組んでいく」と述べました。

また自身の政治資金については「適正にしっかりと処理させていただいている」と述べました。

尾崎国土交通政務官 “災害対策に尽くし職務果たしたい”

新たに国土交通政務官に就任した尾崎正直氏は、総理大臣官邸で辞令の交付を受けたあと、記者団に対し「以前、高知県知事を務めていた際にインフラ整備や災害に備えることがいかに大事かを痛感してきた。能登半島地震の復旧・復興や南海トラフ巨大地震の対策に力を尽くし、職責を果たしていきたい」と述べました。

岸田首相 “政治刷新と政策推進の先頭 責任果たしていきたい”

岸田総理大臣は31日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「任命責任を重く受け止めている。政治刷新と政策推進の両方の先頭に立っていくことで、責任を果たしていきたい」と述べました。

岸田首相 安倍派の政務官続投について “引き続き職務を”

また、残る3人の安倍派の政務官を続投させるのか問われ「引き続き職務を果たしてほしい」と述べました。

首相 “収入不記載の有無 調査進めながら範囲など必要性判断”

記者団から、党所属のすべての国会議員を対象に収入の不記載の有無を調べる考えはないか問われたのに対しては「党の政策集団や議員の政治団体で政治資金収支報告書の修正が順次行われている。党としては、その状況を把握しつつ、関係者の聴き取り調査も進めながら実態の把握に努めたい。調査の範囲などについては調査を進めながら必要性を判断していきたい」と述べました。