小森総務政務官と加藤国交政務官が辞意 政治資金問題受け

自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、派閥に所属する小森卓郎総務政務官と加藤竜祥国土交通政務官は、辞任する意向を固めました。政府は後任人事の調整を急いでいます。

この問題で、政府は12月に安倍派に所属する15人の政務三役のうち、4人の閣僚と5人の副大臣、1人の政務官を交代させた一方、残る5人の政務官は本人の意向などを踏まえ続投させていました。

こうした中、林官房長官は記者会見で、小森卓郎総務政務官と、加藤竜祥国土交通政務官から辞任の意向が伝えられたことを明らかにしました。

そのうえで、「理由は承知していない。手続きをしたうえで、しっかりと仕事を進めていくことが肝要ではないか」と述べました。

関係者によりますと、2人はいずれも派閥の政治資金パーティーをめぐって、収支報告書に記載していない収入があったことが、新たに明らかになったということです。

政府は国会審議への影響を最小限にとどめるため、速やかに後任人事を決定したいとしています。

自民 浜田国対委員長「審議日程に影響出ないよう話をする」

自民党の浜田国会対策委員長は、記者団に対し「国会が動き始めたタイミングで辞任ということになると、野党から批判があることは確かかもしれない。新年度予算案などの審議日程に影響が出ないよう、与野党の筆頭理事の間で話をして進めることになる」と述べました。

立民 泉代表「岸田内閣は退陣を」

立憲民主党の泉代表は記者団に「新たに2人の政務官の裏金が見つかり、裏金をつくっていない議員を探すのが大変になっている。もう適材適所の人事はできず、岸田内閣は退陣しなければならない状況ではないか。国民にとって、今の内閣を続けられるのが一番困る」と述べました。

立民 安住国対委員長「岸田首相の責任を追及したい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「複数の政務官が裏金を受け取っていたことが明らかになったと聞いている。当然、今の職に踏みとどまるわけにはいかないのではないか。きょう中に更迭することを強く求めたい。自民党に自浄能力はなく、岸田総理がみずから調査して実態を解明する努力をしていないことがはっきりした。きょうの代表質問で責任を追及したい」と述べました。

維新 藤田幹事長「自浄作用が働いていない」

日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で「自民党のマネジメント能力のなさ、自浄作用が働いていないことが明らかになった事案だ。みずから名乗り出ればよかったのに、ばれないのではないかとここまで引っ張ってきた議員個人にも問題がある。誰がどの程度、問題に関わっていたのかわからないまま人事ができるはずはなく、早く全件調査をして、事実をしっかり把握すべきだ」と述べました。

公明 北側副代表「やむをえない判断ではないか」

公明党の北側副代表は記者会見で「派閥の政治資金パーティーで収支報告書に不記載があったのであれば、やむをえない判断ではないか」と述べました。

また、野党側が自民党所属のすべての国会議員を対象に、派閥からキックバックを受けていたか調べるよう求めていることについて「自民党の『政治刷新本部』の中間とりまとめでは、説明責任をしっかり果たし政治責任も検討するとしているので、十分な説明責任を果たしていただきたい」と述べました。

共産 穀田国対委員長「首相の対処いかに無責任か証明された」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「岸田総理大臣の対処がいかに無責任だったかが証明された。政務官は辞任して終わりではなく、真相を堂々と語るべきで、岸田総理大臣も、更迭する前に『真相を語りなさい』と言うのが筋だ。真相を明らかにせず、逃げようというのはダメだ」と述べました。

国民 玉木代表「後ろ暗いと思う人は即刻辞任すべき」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し「なぜ今、辞任なのか。とっくに分かっていたはずなのに、予算委員会の議論が本格化する前に辞めるのは非常に問題だ。岸田総理大臣はリーダーシップを発揮して、収支報告書の不記載を行っている全議員のリストを提出し、後ろ暗いと思う人は即刻辞任すべきだ」と述べました。