【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月31日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

CIA長官 アメリカの軍事支援継続の必要性強調

アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官は30日、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に寄稿し、「ことしはウクライナの持久力が試される厳しい年になるだろう」とした上で、「アメリカの国防予算の5%に満たない比較的、控えめな投資はアメリカに地政学的な大きな見返りと産業界にとっても特筆すべき利益をもたらす」と述べ、アメリカが軍事支援を継続する意義や必要性を強調しました。

また、ロシア国内の現状についてバーンズ長官は、侵攻の長期化がプーチン大統領の権力基盤を静かにむしばみロシアの指導部と国民に不満をもたらしているとした上で、「CIAにとって一世一代の勧誘の機会を生み出している」と述べ、情報源の開拓に力を入れる姿勢を示しました。

“ゼレンスキー大統領 軍総司令官を交代へ” 英紙報道

イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは30日、複数の関係者の話として、ウクライナのゼレンスキー大統領が軍のザルジニー総司令官を交代させようとしていると伝えました。

ただ、ウクライナでは29日にも地元メディアがザルジニー総司令官の解任について報じていましたが、ウクライナ国防省が「それは事実ではない」と否定しています。

仏マクロン大統領「欧州は結束してウクライナ支援継続を」

フランスのマクロン大統領は30日、訪問先のスウェーデンの首都ストックホルムで記者会見しました。

この中で、マクロン大統領は、ウクライナへの軍事支援をめぐって、最大の支援国となってきたアメリカで、支援の継続に必要な緊急予算が議会で承認されていないことなどに関連し、「アメリカは、われわれの側に立ち続けてくれることを願っている」と述べました。

その上で、「アメリカが支援の停止や削減を選択をしたとしても、現状に影響を与えることがあってはならない」と指摘し、今後のアメリカの対応にかかわらず、ヨーロッパ各国は結束してウクライナへの支援を継続すべきだと訴えました。

また、続く軍関係者へのスピーチで、マクロン大統領はウクライナに供与する兵器の生産について「われわれが、より迅速に生産するための多くの努力をしても、ロシアの努力に比べれば、規模も速度も適切ではない」と述べ、ヨーロッパ各国が全力で取り組むべきだという認識を示しました。

このほか、スウェーデンのNATO=北大西洋条約機構への加盟については「全面的な支持を改めて表明したい」と述べました。

ショイグ国防相 ミサイル製造数 一部は倍増の計画

ロシアのショイグ国防相は30日、中部にある巡航ミサイルや地対空ミサイルシステムなどの工場を視察しました。一部のミサイルは製造数を去年よりも倍増する計画だとしています。

ショイグ国防相は視察後、「新たな設備が導入され、生産量は大幅に増加している。ことしの計画の完全な達成を期待している」と述べ、兵器の生産を加速させる姿勢を強調しました。

ロシアの兵器生産をめぐっては、イギリス国防省が29日、「主力戦車をひと月に100両以上製造できる可能性がある」と指摘しました。戦場で失った分を埋め合わせる生産能力があるとして、ウクライナ東部でロシアが進めている攻撃が当面は続くという見方を示しています。

クレバ外相 ハンガリー外相と会談

ウクライナのクレバ外相は29日、隣国ハンガリーのシーヤールトー外相と会談し、関係改善に向けて首脳会談を目指す方針で一致しました。

EUはウクライナへの4年間で500億ユーロ、日本円でおよそ8兆円規模の資金支援について去年12月、ハンガリーの反対により合意できず、2月1日の首脳会議で改めて協議することになっています。

アメリカでウクライナ支援の継続に必要な緊急予算が承認される見通しが立たない中、ウクライナとしてはハンガリーとの関係改善を図り、EUからの巨額の支援につなげられるかが焦点となっています。