中国 台湾海峡上空の民間機航路を台湾寄りに変更へ 台湾は反発

中国当局は、台湾海峡の上空に設定している民間機の航路の1つをこれまでより台湾寄りに変更して2月1日から運用を始めると発表しました。台湾当局は「一方的な発表で、政治的・軍事的に不当な企てだ」と強く反発しています。

この航路は中国当局が2015年に設定しましたが、安全面の懸念をもつ台湾当局との協議を経て、当初のルートよりも中国大陸寄りにずらし、南行きの便だけで運用を開始しました。

しかし、中国当局は2018年から北行きの便でも運用を始め、さらに30日夜に「南行きの航路をずらしている措置を2月1日からとりやめる」と発表しました。

実施されれば、この航路を利用する民間機はこれまでより台湾寄りを飛行することになるとみられ、台湾の新聞「自由時報」などによりますと、台湾海峡の「中間線」に最短で7.8キロの所まで接近するということです。

中国当局は「この航路は上海飛行情報区内にあり、設定や運用の開始は大陸の民間空域管理の通常業務だ。便数の増加による負荷を和らげ、フライトの遅延を減らすためだ」と説明しています。

これに対し、台湾当局は「中国側の一方的な発表に対し、厳正に抗議する。台湾に対する政治的・軍事的に不当な企てを民間空域管理で包み隠すもので、台湾海峡の現状変更の懸念がある」と強く反発しています。

台湾海峡の「中間線」を越えて台湾側を飛行する中国軍機が増えているなか、今回の航路の変更も「中間線」を形骸化させようという中国の動きの1つだという見方が出ています。

中国「中間線」の存在を否定

中国当局が2月1日から運用を始める民間機の航路が、台湾海峡の「中間線」に接近することについて、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室が、31日開いた会見で記者からの質問が相次ぎました。

このうち台湾メディアの記者は「台湾の各界やアメリカのシンクタンクには『中間線』をあいまいにし、台湾に圧力をかけているという見方があるが、どのようにコメントするか」と質問しました。

これに対し、陳斌華報道官は「大陸と台湾は同じ1つの中国に属し、台湾は中国の領土の不可分の一部であり、いわゆる『中間線』は存在しない」と述べ、「中間線」の存在を否定するとともに、航路の運用開始について「航空の安全を守るためだ」と主張しました。

また、外国メディアの記者から「今回の変更は台湾の選挙と関係があるのか」と質問されたのに対し、陳報道官は「すでに答えた」とだけ述べ、回答しませんでした。