北京五輪フィギュア団体 日本は銀メダルに ワリエワ成績無効で

ISU=国際スケート連盟は、ドーピング違反で4年間の資格停止処分を受けたロシア出身でフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手について、おととしの北京オリンピックの競技成績を無効とすることを決めました。これにより、フィギュアスケート団体で3位だった日本のメダルは銀メダルに繰り上がることになりました。

おととし冬の北京オリンピックで発覚したワリエワ選手のドーピング違反をめぐり、CAS=スポーツ仲裁裁判所は禁止薬物が検出された2021年12月のロシア選手権からの4年間の資格停止処分と、その間のすべての競技成績を取り消す裁定を下しました。

これを受けて国際スケート連盟は30日、北京オリンピックのフィギュアスケート団体について金メダルを獲得したロシアオリンピック委員会のメンバーとして出場したワリエワ選手の競技結果を無効としました。

ロシアオリンピック委員会自体は失格にはならなかったものの、ワリエワ選手の成績が無効となったことで順位は3位に下がり、2位のアメリカが金メダル、3位の日本が銀メダルとそれぞれ繰り上がることになりました。

またワリエワ選手は、4位だった女子シングルの成績も無効になりました。

北京大会の団体では競技結果が暫定的なものとして扱われてきたため、大会からおよそ2年がたっても選手にメダルは授与されていません。

JOC尾縣専務理事「繰り上げは歓迎したい」

JOC=日本オリンピック委員会の尾縣貢専務理事は、日本の成績が銀メダルに繰り上がったことについて「クリーンなアスリートが評価される、あるいは守るということは使命だと思っている。そういった点から今回の繰り上げに関してはもちろん歓迎したい」と話したうえで、「ただロシア側が上訴する可能性もある」と今後も状況を注視する姿勢を示しました。

そのうえで大会からおよそ2年がたっても選手にメダルが渡されていない現状について、「CAS=スポーツ仲裁裁判所のプロセスを踏んでいるので時間はかかるが選手にとってはすごく長い。何らかのところで選手にメダルを渡すといったことも考えていきたい」と話していました。