富山大学芸術文化学部 輪島塗の研修生受け入れ 研修施設使えず

能登半島地震の影響で、輪島塗の職人を育成する輪島市内の研修施設が使えなくなっていることから富山県高岡市にある富山大学芸術文化学部では創作活動を続けてもらおうと施設の研修生たちを受け入れる準備を進めています。

輪島市内にある県立の「輪島漆芸技術研修所」は、輪島塗の職人を数多く輩出してきましたが、今回の地震の影響でいまも断水が続くなどしていて休講状態になっています。

こうした中、高岡市にキャンパスがある富山大学芸術文化学部では、研修生たちに創作の場を提供しようと受け入れのための準備を進めています。

30日は研修生立ち会いのもと、輪島市から届いた漆器作りに必要な筆などの道具をキャンパス内の施設に運び込む作業が行われました。

研修生たちは、自分の道具や制作途中の作品が無事届いたことを確認すると安どの表情を見せていました。

研修生の1人、吉田有沙さんは「ここで制作できるのは周りの方のおかげだと感じています。慣れない土地ではありますがこの機会を無駄にしないよう作業を進めていきたいです」と話しました。

石川県立輪島漆芸技術研修所の小森邦博所長は「良い環境に生徒を送り込めたので安心しました。研修所の先生や富山大学の先生のアドバイスをもらいながら卒業制作を進めていってほしい」と話しています。

芸術文化学部ではあわせて8人の研修生を受け入れる予定で、研修生たちはことし3月まで卒業制作などに取り組むということです。