被災から4週間入浴できなかった福祉施設も 利用者支援が課題に

能登半島地震の被災地にある福祉施設の中には、被災からおよそ4週間、利用者が入浴できていないところもあります。断水に加え、入浴に介助が必要な障害者や高齢者はほかの避難者と共同で仮設の風呂を利用するのは難しいということで、支援が課題となっています。

石川県穴水町の障害者支援施設「石川県精育園」は、地震で建物の一部が壊れ、応急措置をしたうえで現在も重度の知的障害者など100人余りが生活を続けています。

施設によりますと、断水に加えて入浴設備も壊れて使えなくなり、利用者は地震発生からおよそ4週間、一度も風呂に入れずにいたということです。

入浴には介助が必要なため町内にある仮設の風呂にほかの避難者と一緒に入ることは難しく、衛生管理が課題になっていました。

こうした状況を受け利用者の家族から支援の申し出があり、仮設のシャワーやユニットバスが施設内に設置されました。

29日から利用が始まり、ようやく汗を流せたということです。

「石川県精育園」の統括責任者、田中こず恵さんは「利用者からは『早くお風呂に入りたい』という声も出ていたので、ようやく動き出せたという思いです。ただ、簡易型のお風呂だと車いすの方や重度の障害がある方は利用できないので、そういった方たちも入浴できるよう、引き続き支援が必要です」と話していました。

支援団体「入浴支援必要 国も支援を」

こうした中、高齢者や障害者など介助が必要な人の入浴を支援する取り組みも行われています。

石川県内の被災地で活動している支援団体「危機管理教育研究所」によりますと、志賀町の高齢者施設では
▽給水管など風呂の設備が壊れていることに加え
▽寝たきりなど自力で立つことができない高齢者は仮設の風呂の利用が難しいといった理由で
被災からおよそ4週間、利用者が入浴できていない施設が複数あったということです。

このため、訪問入浴のサービスを提供している事業所と連携し、28日までに町内の3つの高齢者施設で入浴支援を行いました。

また、七尾市や穴水町の福祉施設からも県を通じて支援の相談があったということです。

支援団体によりますと、入浴は衛生面だけでなく、床ずれの悪化や、かゆみやただれなど皮膚のトラブルを防ぐためにも重要なうえ
▽体力を使うことで運動機能の低下を防ぎ
▽リフレッシュを通じた精神的なケアにもつながるということです。

「危機管理教育研究所」の国崎信江代表は「寝たきりの人や車いすの利用者など、仮設の風呂を使えず被災から1か月近くたってもお風呂に入れていない人が大勢います。在宅で介護をしている人も含めると入浴支援を必要とする人の全容も分かっていない状況で、国も支援をしてほしい」と話していました。