石川 馳知事 2市町の液状化被害視察 “仮設住宅など準備を”

石川県の馳知事は今回の地震で液状化の被害を受けた、内灘町と、かほく市を視察し、被害の状況を確認するとともに、仮設住宅などの準備を進める考えを示しました。

金沢市に隣接する内灘町では、能登半島地震で、震度5弱の揺れを観測し、町内の西荒屋地区や宮坂地区の住宅地では液状化現象が起きて、1メートル以上、道路が隆起したほか、およそ630戸で現在も断水しています。

馳知事は30日、西荒屋地区の住宅街を訪れ、町の担当者から説明を受けるとともに、隆起した道路や傾いた電柱などの状況を確認しました。

また、これに先立ち、町内に設けられている避難所で、避難している住民と意見を交わしました。

この中で、住民は「だいたいいつ頃まで我慢すればいいのかめどを教えほしい」などと要望しました。

馳知事は、意見交換のあと記者団に対し「液状化により、上下水道の配管がズタズタになっていると報告を受けている。全国の業者に入ってもらい綿密な調査が必要だ。上下水道一体での復旧とその前に仮設住宅やみなし仮設住宅の準備を対応する必要がある」と述べました。

また、馳知事はこのあと、同じく液状化の被害が出ているかほく市の高松地区と大崎地区を視察しました。

そして、地震の発生から2月1日で1か月になることについて「犠牲になった方はそれぞれ思い描いた人生設計があったと思う。残された者がなすべきことを自覚をして前に進まなければいけない」と述べました。

七尾市のスポーツクラブ 液状化の影響で営業再開未定

石川県七尾市のスポーツクラブでは、能登半島地震で起きた液状化の影響で建物が傾くなどしていて、再開が見通せない状況です。

七尾湾に面する七尾市のスポーツクラブ「スポーツギャザー770」はプールやジム、テニスができるコートなどが入る3階建ての施設で、施設によりますと3歳から90代までのおよそ700人が利用しているということです。

しかし、地震によって起きた液状化の影響で周辺の土地が沈むなどして建物が傾き、浄化槽も隆起するといった被害が出て、営業の休止が続いています。

施設では建築の専門家らと復旧方法を検討していますが、営業再開は見通せないということです。

この施設では、水泳の全国大会の出場を目指すジュニア選手の育成や、体力増進のための水中ウォーキング教室などが行われていますが、休止が続く中で影響が懸念されています。

スポーツクラブの高橋秀幸社長は「復旧には費用と時間が必要だが、利用者のためにも諦めないで再開させたい。特にプールではオリンピック選手を育てるという夢があり、子どもたちの未来のためにも頑張りたい」と話しています。