地震で建物倒壊 室町時代から伝わる祭りの山車は… 輪島市

輪島市で室町時代から続くとされる「曳山祭(ひきやままつり)」。祭りの山車を保管していた神社の建物は地震により大きく傾き、30日は山車を引っ張り出す作業が行われました。

輪島市で続く「曳山祭」

「曳山祭」は、輪島市にある「重蔵神社」と「住吉神社」に室町時代から伝わってきたとされる春祭りです。

輪島塗の技術で漆や金ぱくが施された高さおよそ5メートルの「曳山」と呼ばれる豪華な山車が、中心市街地の通りを練り歩きます。

去年4月の曳山祭

祭りの取りしきり役を担うのは厄年を迎えた男性たちで、子どもたちも綱を引きます。

おととしは、新型コロナの影響で中止になったため、去年は2年ぶりの開催となり、沿道には大勢の人が集まって伝統の春祭りを楽しんでいました。

山車に屋根が覆いかぶさり

祭りに使う山車を保管する輪島市河井町の重蔵神社では、今回の地震で社務所など複数の建物が倒壊し、山車を保管している建物も大きく傾きました。

30日は、神社の要請を受けた5つのボランティア団体が大型の機械を持ち込み、午前9時から山車に覆いかぶさった屋根を持ち上げて、引っ張り出す作業にあたりました。

そして、作業が始まってからおよそ6時間半後。

地元の人が見守る中、木製の車輪が取り付けられた山車は、無事な姿で表に運び出されました。

神社によりますと、この山車は当面、神社近くのスペースにシートをかけるなどして保管されるということです。

神社の禰宜、能門亜由子さんは「山車が形を保っているので不幸中の幸いだと思います。ボランティアの皆さんのおかげで、ありがたいです」と話していました。