【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月30日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる30日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 “無人機の運用で敵に先んじるのが課題”

ロシア国防省は29日、ロシア軍がウクライナ側の拠点、東部ハルキウ州クピヤンシクから南東におよそ20キロに位置する集落タバイウカを掌握したと発表しました。

ウクライナ側はまだ戦闘が続いているとして否定していますが、ロシア軍はハルキウ州で攻撃を強めているとみられます。

また、ロシア軍は無人機による攻撃も続けていて、ウクライナ空軍は30日、ロシア軍がキーウ州など各地でイラン製の無人機35機で攻撃を仕掛け、このうち15機を撃墜したと発表しました。

一方、ウクライナ軍も最近、ロシアに対して無人機を使った攻撃を続けているとみられます。ロシア国防省は30日、ロシア側が支配するウクライナ南部クリミアやロシア西部のベルゴロド州などでウクライナ側が21機の無人機で攻撃を仕掛けてきたと発表しました。

ロシアの有力紙「コメルサント」は29日、ロシア側の当局がウクライナとの国境から遠い北西部のレニングラード州やノブゴロド州などでも防空システムを再構築しようとしていると報じました。

ゼレンスキー大統領は29日、動画での演説で「無人機の運用の質で敵に先んじることがのことしの主な課題の一つだ。無人機で成功を収めれば、より多くの兵士の命が救われることになる」と強調し双方の攻防が一段と激しくなるとみられます。

プーチン大統領とベラルーシ大統領 さらなる協力を確認

ロシアのプーチン大統領は、29日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでベラルーシのルカシェンコ大統領とともに、会合を開催し、欧米の経済制裁を受ける両国がさらに協力を深めていくことを確認しました。

ロシア大統領府によりますと、会合でプーチン大統領は「前例のない外圧にさらされている両国が真に同盟的な相互支援を行うことが重要だ」と述べたうえで、今後も外交の分野で緊密に協力していく意向を示しました。

これに対しルカシェンコ大統領も「われわれの価値観を広めていく」と応えました。

両大統領は27日に第2次世界大戦の犠牲者を追悼する式典にそろって出席するなど、3日間連続で行動を共にし、緊密な関係をアピールしました。

ゼレンスキー大統領 米からの支援の必要性強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は、28日に公開されたドイツの公共放送ARDとのインタビューで、アメリカからの支援が途絶えた場合について聞かれ、「ウクライナで武器や財源が不足するほか、ロシアに対する経済制裁も崩壊するだろう」と述べ、危機感を示しました。

最大の支援国アメリカでは、軍事支援の継続に必要な緊急予算が議会で承認されていないほか、支援に不満を表明しているトランプ前大統領が野党・共和党の候補者選びで優位な状況にあります。

ゼレンスキー大統領は「ヨーロッパだけでウクライナを支えることはできないだろう」と述べ、アメリカからの支援の必要性を強調しました。