能登半島地震 新潟大学が新潟市の液状化被害調査を報告

新潟大学は能登半島地震による液状化で大きな被害を受けた新潟市を調査し、砂丘のすそ野の部分やかつて川が流れていた場所で被害が集中していたことを報告しました。

新潟大学の災害・復興科学研究所の卜部厚志所長らの研究グループは、能登半島地震のあと、液状化の被害が深刻な新潟市西区を中心に調査を行いました。

29日、大学で調査結果が報告され、液状化が2000か所以上で確認され、このうち、西区の寺尾地区周辺は砂丘のすそ野にあたる部分で、地下水が地面に近い部分を通っていて液状化しやすく、地震で複数の小さな地滑りが起き、被害を拡大させたと指摘しています。

また、西区の善久地区や江南区の天野地区の、かつて川が流れていた場所では、地下に砂の層があるなどして液状化しやすく、被害が出たとみられるということです。

このうち、西区の善久地区で被害が集中していることについては、宅地にする際に行った盛り土の層が、ほかの地区に比べて薄かったためではないかと分析していました。

今後の再建に向けて卜部所長は「液状化は繰り返す災害で、60年前の新潟地震でも液状化は起きた。再建には地盤改良が必要で、被害分布を把握することで街区単位での行政主導の対策を行い、液状化に強いまちにしていくことが大切だ」と話していました。