石川 輪島 安否不明男性の捜索活動 男性の兄「早く顔見せて」

能登半島地震による大規模な土砂災害で複数の住宅が巻き込まれた石川県の輪島市市ノ瀬町では、発生から4週間たっても安否不明になっている男性の捜索活動が行われました。帰りを待ち続ける男性の兄は「あの日から時間が止まったままで、早く顔を見せてほしい」と悲しみを募らせています。

輪島市市ノ瀬町は、今回の能登半島地震で大規模な土砂災害が発生し、複数の住宅が巻き込まれる甚大な被害が出ました。

この地区で暮らし、瓦屋根職人だった垣地英次さん(56)は土砂災害に巻き込まれたとみられ、今も安否が分かっていません。

捜索活動は警察と消防によって続けられていて、発生から4週間の29日も周辺の広い範囲で行われました。

金沢市に住む兄の弘明さん(58)は今月11日から地区の避難所で待機しながら2歳離れた弟の帰りを待ち続けています。

弘明さんによりますと、弟の英次さんは当時、ひとり暮らしで住宅か隣接する納屋付近にいた可能性があるということです。

弘明さんは「捜索にあたる隊員の方からは『絶対に見つける』と声をかけていただき泥だらけになりながら連日、捜していただいています。本当に感謝しています」と話していました。

これまでの捜索で、幼いころの兄弟の写真を集めたアルバムが見つかり、英次さんのあどけない表情や兄弟で仲よく写る姿が残されていました。

弘明さんは「英次は全然、やんちゃなところはなく優しくて面倒見がよくおふくろ思いの弟でした。本当に早く顔を見せてほしいです。僕も1月1日から時間が止まったような感じで、弟が見つからないとなかなか次に踏み出せないです。弟も含めて安否不明の皆さんが早く見つかってほしいです」と日ごとに深まる悲しみを抑えながら話していました。