精神科病院の看護師ら 人材確保のため処遇改善を厚労省に要請

精神科病院で働く職員の人手不足が原因で、患者に向き合った医療が提供できずにいるなどとして、精神科病院の看護師らが29日、厚生労働省を訪れ、人材確保のために処遇改善を行うよう要請しました。

29日は精神科病院で働く職員で作る労働組合のメンバー12人が厚生労働省を訪れ、おととし精神科病院の職員などを対象に行ったアンケート調査の結果を報告しました。

調査には看護師や介護職などおよそ1100人から回答が寄せられ、治療や薬について丁寧に説明するなど、患者や利用者本位の医療やケアができているか尋ねたところ、
▽「できている」と答えた人が3.2%、
▽「どちらかというとできている」と答えた人は45.8%で、
両方を合わせても全体のおよそ半数にとどまりました。

また、患者本位の医療やケアのために必要なことを複数回答で尋ねたところ、
▽「人員体制の充実」が最も多い82.8%で、
次は
▽「賃金・労働条件の改善」で51.9%でした。

また、これに先立ち、労働組合のメンバーは厚生労働省の担当者に対して、精神科病院で働く職員の人材確保や労働環境の改善のため、国の責任で処遇改善を行うよう要請書を提出しました。

日本医療労働組合連合会精神部会の佐々木和敏部会長は、「患者に良い医療やケアをしたくてもできない状態が続いている。現場で働く立場から改善を訴えていきたい」と話していました。