能登半島地震 富山 高岡の海岸で高さ約1.8mの津波到達か

能登半島地震で富山湾に押し寄せた津波の実態を明らかにしようと、富山県立大学の研究者が高岡市の海岸で現地調査をしたところ、高さおよそ1.8メートルの津波が到達したとみられることが分かりました。

富山県立大学の呉修一准教授と東北大学の研究グループは、富山湾の沿岸に国や自治体などが設置したカメラが捉えた津波の映像と、海岸に残された津波の痕跡を照らし合わせて、今回の地震に伴う津波の実態を明らかにしようとしています。

29日は富山県西部の高岡市の雨晴海岸で、岩場に残された流木などの津波の痕跡をもとに、機器を使って到達したとみられる津波の高さを計測しました。

それによりますと、雨晴海岸に押し寄せた津波の高さは、およそ1.7メートルから1.8メートルとみられることが分かったということです。

研究グループは、これまでに雨晴海岸を含めて富山湾沿岸の6か所で津波の高さを計測していて、
▽氷見市の海岸で高さ1.8メートル、
▽射水市の新湊マリーナでは高さ1.5メートルとみられるということです。

さらに、富山市の海岸の2か所と射水市の海岸の1か所では、地震の発生から3分以内という早さで、津波の「引き波」が確認されていることから、少なくとも富山湾の3か所で「海底地滑り」が起きていたことも推測されるということです。

呉准教授は「富山湾沿岸の人たちは、地震が起きたらすぐに避難するよう注意してください。津波の第1波から時間をおいて第2波が押し寄せることがあるのでしばらく避難を続けてほしい」と話しています。

呉准教授の研究グループは今後も現地調査を続け、富山湾沿岸の合わせて30か所で津波の高さを推計することにしています。