大型の輪島塗地球儀 無傷で残る “復興シンボルに” 石川 輪島

能登半島地震で石川県輪島市の伝統産業「輪島塗」の工房や店舗が大きな被害を受ける中、市内の美術館に展示されていた大型の輪島塗の地球儀が無傷で残されていたことから、関係者は「復興のシンボルになってほしい」と期待を寄せています。

輪島市の各地にある工房や店舗で輪島塗に大きな被害が出て、石川県輪島漆芸美術館でも建物の一部が壊れる中、展示されていた直径およそ1メートルの輪島塗の地球儀は無傷のまま残されていました。

この地球儀は、人間国宝の作家も所属する輪島塗技術保存会の技術者ら37人が2022年にかけて5年がかりで製作した輪島塗を代表する作品の一つです。

漆の上に金で装飾する「蒔絵(まきえ)」や「沈金」といった技術で光を描いていて、宇宙に浮かぶ地球の夜景を表しています。

輪島塗技術保存会の会長で石川県輪島漆芸美術館館長の小森邦博さんは「地球儀に被害がないと聞いた時は本当にうれしかったです。大変な状況の中ですが輪島塗の技術が結集したこの作品が、復興のシンボルになってほしい」と話していました。