スルメイカ漁が再開 地震であの「イカキング」は… 能登町

石川県能登町は、巨大なイカのモニュメント「イカキング」が話題を集め、イカ漁が盛んです。今回の地震や津波で港でも岸壁が損傷する被害を受けましたが、地震のあと初めてスルメイカの水揚げが行われました。

能登町のスルメイカ漁の拠点となっている小木港では、今回の地震や津波で港の岸壁が損傷したり船が使えなくなったりしたほか、断水が続いて鮮度を保つための氷が製造できないことから、地震のあと、漁を取りやめていました。

設備の復旧には時間がかかる見通しですが、道路状況が改善し金沢市などから氷の手配が可能になったことから、被害がなかった一部の船は漁を再開し、28日に出発した船が29日、港へと戻ってきました。

このうち、武本豊真さんの船からは、スルメイカ25キロが水揚げされ、氷詰めされた箱に入ったスルメイカは、トラックに積み込まれ、金沢市の市場へと送られていました。

武本さんは「地震でイカもびっくりしたと思う。これ以上、地震が来ないでほしい」と話していました。

一方、小木港では漁船の被害は大きく、船の修復に向けた作業をする様子も見られ、漁協によりますと全面的な漁の再開のめどは立っていないということです。

作業にあたっていた男性は「収入がなく、きついです。泣いてもしかたないのでもう1回やってみようと思います」と話していました。

あの「イカキング」は…

能登町の港の近くにある観光施設、イカの駅つくモールにある巨大なイカのモニュメント「イカキング」。2021年4月に完成しました。

その大きさは、全長13メートル、高さが4メートルあり、およそ2700万円の建造費のうち、およそ2500万円は、国の新型コロナ対策の交付金が充てられました。

完成当時は「新型コロナ対策と無関係で、交付金の使いみちとして不適切ではないか」などと、批判も集めましたが、多くのメディアに取り上げられ、施設には多くの観光客が訪れ、予想以上の経済効果が生まれたということです。

今回の地震や津波で「イカキング」に大きな被害はありませんでした。