石川 七尾 なまこ漁がこれから最盛期も 再開の見通し立たず

能登半島地震で被害が出た石川県七尾市の漁港では、これから最盛期を迎え、県内最大の水揚げ量を誇るなまこの漁を行う見通しが立たない状況が続いています。

七尾市の石崎漁港は例年、およそ80トンと県内最大のなまこの水揚げ量を誇る港です。

しかし、能登半島地震で岸壁にヒビが入ったり、津波によって一部の漁船が転覆したりする大きな被害が出ました。

地震の後、漁のできない状況が続く中、27日は石川県漁協の七尾支所に役員などが集まって会議を開き、今後の方針を話し合いました。

会議では津波によってがれきが海底に沈んでいるため、なまこ漁で使う網に被害が出るおそれがあるほか、岸壁が崩れる心配もあるとして、支所のすべての漁船が当面、なまこ漁を行わないことを決めました。

これからなまこ漁のピークを迎える時期に、再開する見通しが立たない状況となっています。

七尾支所によりますと、国は地震で被災した漁場の調査に携わった漁業者に支援金を払うといった対策を示していますが、作業の開始時期などがはっきりしていないということで、七尾支所の竹内大生運営委員長は「先行きが見えない中、仕事を提供してくれるのはありがたいが、早く収入を得るためにも、いつからその作業を始められるのかなどを示してほしい」と話していました。