卓球 全日本選手権 平野美宇 シングルス準々決勝で敗退

卓球の全日本選手権は男女ともにシングルスの準々決勝が行われ、女子では、26日にパリオリンピックの代表内定を確実にした平野美宇選手がフルゲームの接戦の末、敗れました。

東京 渋谷区の東京体育館で行われている全日本選手権は6日目を迎え、男女ともにシングルスの準々決勝が行われました。

このうち女子では、26日にパリオリンピックのシングルスの代表内定を確実にした平野選手が赤江夏星選手と対戦しました。

平野選手は第1ゲーム、強烈なフォアハンドを決めるなど、終盤に6連続ポイントを奪って11対3でとりました。

続く第2ゲームと第3ゲームを連続で失いましたが、第4ゲームはデュースとなった競り合いを16対14で制して、ゲームカウント2対2で並びました。

その後、1ゲームずつを取り合って迎えた最終の第7ゲームは一進一退の攻防が続く展開となりましたが、最後は卓球台の角にボールが当たる不運なエッジボールで得点を決められ、9対11で落とし、平野選手はゲームカウント3対4で敗れました。

一方、大会連覇をねらう早田ひな選手はストレート勝ちで、準決勝進出を決めました。

また、男子では3連覇をねらう戸上隼輔選手と、最年少14歳での優勝を果たした2018年以来、6年ぶりの優勝をねらう張本智和選手が順当に勝ち、準決勝に進みました。

大会最終日となる28日は準決勝と決勝が行われ、準決勝は、
女子が、
▽早田選手と平野選手に勝った赤江選手
▽横井咲桜選手と15歳の張本美和選手
の対戦となります。

男子は、
▽戸上選手と吉村真晴選手
▽篠塚大登選手と張本智和選手
が対戦します。

平野美宇 “代表選考会から切り替え難しく 力不足”

準々決勝で敗れた平野美宇選手は「きのうの試合から切り替えたつもりだったが、パリオリンピックの代表選考会から全日本選手権に急に変わった感じがして難しかった。力不足です」と振り返りました。

また、パリオリンピックの代表内定を確実にして一夜明けての心境を聞かれると、「実感はまだわいていない。きのうまでは心臓がはじけそうなくらいの試合が続き、本当はもっと上に行き、優勝できればよかったが、パリオリンピックの代表内定という最低限の目標は達成できたのでよかった」と話しました。

そのうえで、今後の目標について、「きょう負けたことはしっかり反省して、緊張する中でも、やるべきことをやらないと勝てないと痛感したので、今回の選考レースを乗り越えたという自信を持って戦っていきたい」と意気込みを話しました。

早田ひな “相手に点数与えないため 技術の精度大事”

女子シングルスで2連覇を目指す早田ひな選手は準々決勝に勝ったあと、「向かってくる相手ばかりなので自分の卓球を貫くのは難しいが、打たれても守備から反撃に持って行くことや、相手にたくさん点数を与えないために、自分の技術の一つ一つの精度が大事だ」と話しました。

準決勝と決勝が行われる28日に向けては「女子のレベルが高くなっていて、私もいつどこで負けるかわからない。相手や自身の状態を見ながら、一つ一つ乗り越えていきたい」と話していました。

また、26日の試合で伊藤美誠選手が敗退し、パリオリンピックの女子シングルスの代表に早田選手と平野美宇選手の2人が内定することが確実になったことについては、「代表権が2つしかないのは残酷だと思うが、負けた伊藤選手の分まで、絶対に金メダルを取りに行かないといけないという強い覚悟がある」と話しました。

戸上隼輔 “今までの戦術の見つめ直しが勝ちに”

男子シングルスで3連覇を目指す戸上隼輔選手はストレート勝ちした準々決勝について、「出だしからうまく戦術がかみ合って、最後まで自分のペースでできたのが非常によかった。今までやってきた戦術を冷静に見つめ直した結果が、勝ちきることにつながった」と振り返りました。

そのうえで、準決勝と決勝が行われる28日に向けて「相手は誰でもいい、誰でも来いという感じで、わくわくしている。優勝できる自信のほうが強い。ボールのスピードとガッツあふれるプレーをぜひ見てもらいたい」と意気込んでいました。