米 バイデン政権 LNG輸出許可一時停止 気候変動対策アピールか

アメリカのバイデン政権はLNG=液化天然ガスの環境への影響を最新の手法で分析する必要があるとして、新たに輸出の許可を出すことを一時的に停止すると発表しました。ことし11月の大統領選挙に向けて、気候変動対策の取り組みをアピールする狙いがあるとみられます。

アメリカではFTA=自由貿易協定を締結している国以外にLNGを輸出する場合、エネルギー省の認可が必要になります。

バイデン政権はこの認可の手続きで、環境への影響を分析する基準がおよそ5年前のものだとして、最新の手法を取り入れる準備が整うまで、新たに輸出の許認可を出すことを一時的に停止すると26日発表しました。

ただ、この措置によってロシア産の天然ガスからの依存脱却を進めるヨーロッパ各国や日本を含むアジアの同盟国へのLNGの供給には影響しないと強調しています。

アメリカ国内では環境団体などからLNGの生産や輸出の増加に対する反発の声が上がっていて、バイデン大統領としてはことし11月の大統領選挙に向けて気候変動対策の取り組みをアピールする狙いがあるとみられます。

アメリカは世界一のLNGの輸出国で、2030年までには輸出量が倍増すると予想されていますが、認可の手続きが厳格化されることでLNGのプロジェクトに影響を及ぼすかが焦点となります。