石川県 ボランティアを被災地に派遣へ 家財の片付けなど

能登半島地震の被災者を支援するため、石川県は27日から、県に登録したボランティアを被災地に派遣することになりました。27日は七尾市と志賀町、穴水町で、およそ80人のボランティアが家財の片付けなどを行うことにしています。

ボランティアは▽志賀町に45人、▽七尾市に20人、▽穴水町に15人程度、27日から派遣され、被災した住宅で家財の片付けを行ったり、災害廃棄物の仕分けなどの作業を進めることにしています。

被災地では宿泊施設が不足していることなどから、当面は金沢市内と現地をバスで往復しながら、日帰りでボランティアを派遣するということです。

一方、輪島市や能登町などでは、ボランティアについて、どのような支援が必要か調査を行っています。

石川県によりますと、現地で対応できる自治体などの職員の数が十分ではなく、一日に受け入れられるボランティアの人数にはかぎりがあるとしています。

また、県はボランティア活動について、大きな渋滞につながり、緊急車両が通れなくなる可能性があるため、個別での活動は控え、県に事前登録を行うよう呼びかけています。

ボランティア 日帰りでの派遣など課題も

石川県によりますと、被災地では宿泊できる施設が少ないことなどから、当面は金沢市内との間をバスで往復しながら日帰りでボランティアを派遣することにしていて、活動時間をどこまで確保できるかが課題だとしています。

一方、七尾市、志賀町、穴水町のボランティアセンターによりますと、すでに住民などからボランティア派遣の要望が寄せられているということです。

このうち、七尾市ではこれまでに300件近い要望が寄せられ、割れた食器やガラス、瓦など家の片付けの手伝いを依頼する内容が多いということです。

ただ、対応できる職員の数が十分でなく、1日に受け入れられるボランティアの人数にかぎりがあるということです。

また、石川県によりますと、自治体によっては要望の聞き取りが進んでいないところもあるということです。

ボランティアの受け入れ状況

今回の地震の被災地などで活動するボランティアについて、26日の時点での受け入れ状況をまとめました。

各地の社会福祉協議会などによりますと、
▽珠洲市では県の特設サイトを通じて募集は行っているものの、受け入れのめどは立っていません。

▽輪島市でも受け入れのめどが立っていません。

それ以外の自治体では募集や受け入れを始めているところがあります。

▽能登町では町内に住む人に限って26日から活動を始めました。

▽穴水町では27日から、県が募ったボランティアの受け入れを始める予定で、家の片づけやごみの廃棄などを行う予定だということです。

▽七尾市では市内に住む人に限って、軽トラックを持ち込んでボランティア活動に参加できる人を募集しています。

県が募集したボランティアとともに、27日から活動を始める予定です。

▽志賀町では町内や周辺の市町に住む人から募集して、家財道具の片づけや屋根から落ちた瓦の撤去などのボランティア活動を始めています。

県が募集したボランティアも27日から受け入れます。

▽中能登町では町内に住む人や勤務する人を対象に募集していて、1月30日から、被害を受けた住宅の片付けや災害ごみの搬出などを行うことにしています。

▽金沢市では、社会福祉協議会のホームページによりますと、市内に住む人に限って募集し、避難所の運営などを行っているということです。

希望する人は金沢市社会福祉協議会のホームページから申し込むことができます。

▽野々市市は今後のニーズを見極めて募集を検討するということです。

一方
▽川北町ではボランティアの募集は行っていません。

▽小松市では2次避難所でのボランティアを募集しています。

また、市や町とは別に石川県も災害ボランティアの募集を1月6日から始めています。

25日午後2時の時点で
▽県内のおよそ4000人
▽県外の1万500人
合わせておよそ1万4500人が事前登録を行っているということです。

被災地でのボランティア活動について石川県は
▽道路などのインフラが復旧していないことや
▽自治体の受け入れ態勢が整っていないことなどを理由に
事前登録せずに、個別で行うことを控えるよう呼びかけています。

一方、27日からは七尾市と志賀町、穴水町に、およそ80人を派遣し、災害ごみの片付けや運搬などを行うほか、輪島市や能登町ではどのような支援が必要か、調査を進めているということです。