パリオリンピック 開幕まで半年 日本選手たちの意気込み

パリオリンピックの開幕まで26日で半年です。コロナ禍を経て観客の声援が戻り、スポーツが本来の形を取り戻して開催される大会で、日本の選手たちがどのような活躍を見せるか注目されます。

このうち体操の男子でパリオリンピック代表に内定している22歳の橋本大輝選手は、内村航平さん以来、史上5人目となる個人総合の2連覇を目指していて「個人総合と団体、それに種目別の鉄棒で金メダルを獲得したい」と意気込んでいます。

パリオリンピックの開会式が行われる7月26日まで半年です。100年ぶりにフランスの首都・パリで開催される大会では、32競技の合わせて329種目におよそ1万人の選手が参加する見込みです。

スケートボードや新競技のブレイキンなどのアーバンスポーツはパリの観光名所、コンコルド広場が会場となり、世界トップレベルの選手がそろう日本勢の活躍が注目されます。

体操 橋本大輝 “史上5人目となる個人総合2連覇を”

体操の男子でパリオリンピック代表に内定している22歳の橋本大輝選手は、東京大会で史上最年少の19歳で個人総合の金メダルを獲得したほか、去年の世界選手権では個人総合と団体、それに種目別の鉄棒で3冠を達成しました。

橋本選手はパリ大会で内村航平さん以来、史上5人目となる個人総合の2連覇を目指していて「個人総合と団体、それに種目別の鉄棒で金メダルを獲得したい。東京大会が終わってから毎年パリ大会に向けて、どうしたら成長できるかを常に考えながら練習してきたので、焦ることなくマイペースにできている。つり輪と平行棒がカギだと思うのでさらに質を上げていきたいし、結果だけでなく体操っていいなと思ってもらえる演技をしたい」と決意を語りました。

陸上 女子やり投げ 北口榛花「冬季練習で手応え」

陸上、女子やり投げの北口榛花選手は、去年の世界選手権で金メダルを獲得し、パリオリンピックには金メダル候補として臨みます。

北口選手は「課題としていた助走スピードが上がるなど、ここまでの冬季練習でも手応えを感じることができている。パリオリンピックで金メダルを取るのは簡単ではないが、しっかり準備していいパフォーマンスができるようにシーズンを過ごして行きたい」と決意を示していました。

柔道 阿部一二三と阿部詩 “史上初 兄と妹で連覇を”

パリオリンピックの代表に内定している柔道男子66キロ級の阿部一二三選手と妹で女子52キロ級の詩選手は、いずれも東京大会の金メダリストで、パリでは史上初のきょうだいで2連覇という偉業に挑みます。

一二三選手は「ずっと『圧倒的に勝つ』と言い続けてきた。初心に戻るではないが、オリンピックで圧倒的に勝つのを目標にやっていきたい。自分の最大の夢は4連覇。通過点といえば通過点だと思っているが、必ずパリで2連覇を達成する気持ちでいきたい」と、さらなる高みを見据えました。

詩選手は「2度目のオリンピックで簡単にはうまくいかない日々が続くと思うが、それに負けずにパリの舞台で進化した姿を見せたい。パリオリンピックまで積み上げていって、本番当日で自分自身のパフォーマンス100%を発揮できれば、2人の優勝が見えてくる。準備を大切にしたい」としていました。

スケートボード 西矢椛「オリジナリティーのある滑りを」

東京オリンピックで日本選手史上最年少の金メダリストとなったスケートボードの16歳、西矢椛選手は、連覇がかかるパリオリンピックについて「また新しい舞台だと思うので、滑りたい気持ちがある」と出場へ意欲を見せています。

代表選考はことし6月まで続き、西矢選手が出場を目指す女子ストリートは最大3人の枠をめぐって世界トップクラスの実力を持つ日本勢どうしの激しい争いが繰り広げられていて、西矢選手は「日本勢が常に上位にいるので大変だが、いい刺激をもらえている。パリオリンピックへ向けては新しい技をどんどん作って、自分にしかできない技やコースの使い方などオリジナリティーのある滑りを出したい」と話していました。

フェンシング女子 江村美咲「目標は金メダル」

フェンシング女子サーブルで日本選手として初めて世界選手権2連覇を果たすなど、パリオリンピックで金メダル候補に挙げられている江村美咲選手は「目標は金メダル。初めてのオリンピックだった東京大会はチャレンジャーという立場だったが、今は金メダルを取らなければいけない立場に変わった。重圧を感じるときもあるが、ドンと構えて強気なプレーをしたい。迷いなく楽しんで戦っている姿を見ていただきたい」と意気込みを語りました。

フェンシングはヨーロッパが本場のスポーツで、パリ大会の競技会場である『グラン・パレ』は、1900年のパリ万博のために建てられた伝統ある建物です。

江村選手は「過去に『グラン・パレ』で大会があったときもすごい会場だったというのを聞いている。私はまだ入ったことがないので楽しみ」とワクワクした表情で話していました。

新競技ブレイキン 半井重幸「最高の姿で立ちたい」

パリオリンピックで実施される32の競技のうち、唯一の新競技となるブレイキンで代表内定を決めているダンサーネーム、Shigekixの半井重幸選手は「パリオリンピックに挑むにあたり、全身全霊をかけて最高の姿で立ちたいと思っている」と半年後の大会に向けた決意を話しました。

そして「オリンピック本番で晴れ晴れとした顔で踊っている姿こそが、ふだんからサポートしてくれている皆さんが一番見たいものというか、一番期待しているもので、そこに金メダルがついてきたら、最高にみんなが喜べる瞬間になる。メダルが取れなかったらどうとかは考えずに全力で挑んで、すがすがしく当日を迎えたい」と話していました。

スポーツクライミング 安楽宙斗「最高の演技で金メダル」

スポーツクライミングの男子ボルダー&リードでパリオリンピック代表に内定している17歳、安楽宙斗選手は、昨シーズンのワールドカップで、ボルダーとリードの両種目で年間総合優勝を果たしました。

金メダル候補として臨むパリ大会に向けて安楽選手は「大会出場を重ねていって感覚をつかみ、オリンピックで最高のパフォーマンスを出して金メダルを取れたら」と初出場となるオリンピックでの決意を語りました。

バスケットボール男子 ホーバスHC「日本のいいバスケを」

去年のW杯で五輪出場を決める

バスケットボール男子の日本代表は去年のワールドカップでアジア勢1位となり、1976年のモントリオール大会以来、48年ぶりに自力でのオリンピック出場を決めました。

トム・ホーバスヘッドコーチは「ワールドカップでバスケットボールをあまり知らない人も、日本のバスケットボールは世界に通用するという気持ちになったと思う。オリンピックは、もっとそう思ってもらえるチャンスがあると思うので、日本のいいバスケットを見せたい。バスケットボールが日本でメインスポーツになったら、とてもうれしい」と話していました。

バスケットボール女子 “目標は金メダル”

東京五輪は銀メダル

東京大会で銀メダルを獲得したバスケットボール女子の日本代表は、来月の世界最終予選で3大会連続となるオリンピック出場を目指しています。

キャプテンを務める林咲希選手は「東京オリンピックでは銀メダルを取れたが、決勝ではアメリカに対して何もできなかったので、そこを打開することを目指してやっている。どの国も日本のバスケットボールを知り尽くしたうえでの大会になると思うが、金メダル獲得に向けて、しっかり頑張っていきたい」と意気込みを語りました。

恩塚亨ヘッドコーチは「目標は金メダルを取ることだ。選手たちが東京オリンピックで輝いている姿を見てきたので、あの舞台であの輝き以上の輝きを得るために、チームで力を合わせて頑張っていく」と話していました。

ハンドボール男子“決勝トーナメント進出を”

五輪アジア予選で優勝(去年10月)

ハンドボール男子は、去年10月にカタールで行われたオリンピックのアジア予選で優勝し、開催国枠で出場した前回の東京大会を除くと、1988年以来、36年ぶりに自力でオリンピック出場を決めました。

初めての決勝トーナメント進出を目指す、日本代表の部井久アダム勇樹選手は「東京大会では予選突破という目標で臨み得失点差で突破できないという悔しい経験をしたので、パリ大会ではその悔しさを晴らせるように、決勝トーナメントに進出することを目標に、チームのためにできることを全力でやりたい」と話しています。

ダグル・シグルドソン監督は「今の日本代表はメンバー間の信頼が強く、自分たちのスタイルに同じイメージを持ってチームを作れている。ディフェンスやオフェンスのシステム面でも個人の能力が高い。パリ大会に向けてはまだ少し時間があるが、大きなことを成し遂げるチャンスなので、そこに向けて次のステップに進んでいきたい」と話していました。