米アラバマ州 国内初 窒素吸入で死刑執行 国連が中止求めるも

アメリカ南部・アラバマ州で、国内で初となる窒素を吸入する方法での死刑が執行されました。州側は痛みが少なく人道的だとしていますが、国連は「未検証の方法で国際法に違反する可能性がある」と指摘し、中止を求めていました。

アメリカ南部・アラバマ州で25日、1988年の殺人事件で有罪となったケネス・スミス死刑囚に対し、アメリカ国内で初となる窒素を吸入する方法での死刑が執行されました。

アラバマ州は、おととしスミス死刑囚に対し、薬物注射による死刑執行を試みたものの失敗したため、今回、窒素吸入による執行に踏み切ったということです。

州側は、窒素を吸入する方法での死刑執行について「数秒で意識を失い、数分で死に至る最も痛みが少ない人道的な方法だ」と説明していました。

これに対し国連人権高等弁務官事務所は今月16日、「未検証の方法であり、拷問や非人道的な刑罰を禁止する国際法に違反する可能性がある」と警告し、中止を求めるなど波紋が広がっていました。

アメリカメディアは、執行に立ち会っていたジャーナリストの話として「数分間、意識があるように見えた」とか、「死刑執行に対してこれほど暴力的な反応を見たのは初めてだ」と話していたと伝えています。