日中経済協会の訪中団 環境配慮での産業発展 重要性を確認

中国を訪れている「日中経済協会」の訪問団は最終日の26日、産業政策を担う工業情報化省の幹部と会談し、中国でEV=電気自動車の生産台数が急増している状況などを踏まえ、環境に配慮しながら産業を発展させていく重要性を確認しました。

日中経済協会の訪問団による中国訪問は最終日を迎え、26日午前、中国で産業政策などを担う金壮龍 工業情報化相と会談しました。

この中で金 工業情報化相は、「半導体や自動車、新エネルギーなど多くの分野で協力の可能性がある。両国の産業協力が新たな段階に入るよう推進しないといけない」と述べました。

そのうえで、会談では、中国が去年自動車の輸出台数が世界1位となったことなどを踏まえ、日本側から生産台数が急増するEVの車体やバッテリーのリサイクルといった対応で連携することが提案されるなど、環境に配慮しながら産業を発展させていく重要性を確認しました。

また、日中経済協会の進藤孝生会長は、中国ではEVや電子決済の技術がスピード感を持って浸透するなど学ぶべきところがあるとする一方で、「データの越境制限などデジタル分野の法制度は中国市場への参入などに大きな障害となりうる」などと述べました。

そして、日本企業の幹部が、国境を越えたデータ移転に対する規制について、明文化することなどを要望し、訪問団によるおよそ4年ぶりの中国訪問はすべての日程を終えました。