世界各地の地下水“減少傾向” 大量くみ上げ影響か 研究チーム

さまざまな用途で利用されている世界各地の地下水が、減少傾向にあることがアメリカなどの研究チームの調査で明らかになりました。
乾燥した地域では農業用に地下水を大量にくみ上げたことが影響している可能性があるとみていて、研究チームは早急な対策が必要だとしています。

これはアメリカなど研究チームが24日、科学雑誌「ネイチャー」に発表したものです。

研究チームは、世界40か国以上にあるおよそ17万の井戸を分析し、合わせて1693か所の地下水の水位の変化をまとめました。

それによりますと、今世紀に入ってからの地下水の水位は全体のおよそ36%で、年間10センチを超える減少が見られ、さらに全体のおよそ12%では、年間50センチを超える大幅な減少をしていることがわかったということです。

水位の減少は、特に、乾燥した気候の中、農業が行われている地域に見られ、研究チームは、農業に使用する大量の地下水のくみ上げが影響している可能性があると分析しています。

一方で、年間10センチを越えて水位が回復しているところも全体のおよそ6%存在し、こうした地域を調べると、地下水のくみ上げを制限するなどの政策がとられた地域もあったいうことです。

地下水は極端に減少すると、元のように使えなくなるケースもあるということで、研究チームは、減少が見られる地域では効果的な対策を早急にとるべきだとしています。