安田純平さんのパスポート発給拒否処分取り消す判決 東京地裁

シリアで武装組織に拘束され、解放されたフリージャーナリストの安田純平さんへのパスポートの発給をめぐる裁判で、東京地方裁判所は、発給を拒否した外務省の処分は違法だとして、処分を取り消す判決を言い渡しました。

シリアで武装勢力によって3年余りにわたって拘束された安田さんは、拘束中にパスポートを奪われたことから、5年前、再発行の申請をしましたが、外務省は、安田さんはトルコへの入国が禁止されているとして発給を拒否する処分をしました。

これに対し、安田さんがパスポートの発給などを求めた裁判で25日、東京地方裁判所が判決を言い渡しました。

品田幸男裁判長は、トルコやその周辺国への安田さんの渡航については制約する必要性を認めましたが、それ以外の国については、「安田さんが渡航したとしてもトルコと日本の信頼関係が損なわれるとは言えない。安田さんの渡航を制約するのは違法だ」としてパスポートの発給を拒否した処分を取り消しました。

一方、安田さんが求めていたトルコなどへのパスポートの発給については認めませんでした。

安田さんは判決のあとに都内で会見を開き、「外務省の処分が取り消されたことは喜んでいいと思うが、制約の根拠となっている旅券法に問題があると認められなかったことは残念です」と話していました。

外務省「関係省庁と協議し対応決めたい」

判決について外務省は「部分的に国の主張が認められない判決が言い渡された。今後は判決の内容を十分に精査し関係省庁と協議したうえで対応を決めていきたい」とコメントしました。