金融庁 損保ジャパンと親会社に業務改善命令 保険金不正請求で

ビッグモーターによる保険金の不正請求問題で、金融庁は25日、不正を認識しながら取り引きを再開した損害保険ジャパンと、親会社のSOMPOホールディングスに対して、業務改善命令を出しました。

金融庁が業務改善命令を出したのは、損害保険ジャパンと、親会社のSOMPOホールディングです。

この問題では、損害保険ジャパンの経営陣がおととし7月にビッグモーターによる不正を認識しながら、いったん中止していた取り引きを再開したことなどが明らかになり、金融庁が、損害保険ジャパンとSOMPOホールディングスへの立ち入り検査を進めてきました。

この結果、金融庁は、損害保険ジャパンについて、歴代の社長を含む経営陣のもとで顧客の利益よりも会社の利益に価値を置く企業文化がつくられたうえ、コンプライアンスや内部監査が機能不全に陥っていたなどとして、業務改善に取り組む必要があると判断しました。

また、SOMPOホールディングスについても、子会社に対するモニタリング体制が整備されていなかったうえ、問題を認識したあとも踏み込んだ実態把握を行っていなかったと指摘し、親会社による管理体制にも問題の原因があったとする判断を下しました。

金融庁の処分を受けて、SOMPOホールディングスは26日記者会見を開き、櫻田謙悟グループCEOの退任と、すでに辞任を表明している損害保険ジャパンの白川儀一社長の退任を発表する見通しです。

鈴木金融相「本件を重く受け止め 抜本的な改善求める」

金融庁が損害保険ジャパンと、親会社のSOMPOホールディングスに業務改善命令を出したことについて鈴木金融担当大臣は、25日夕方、記者団に対して「一連の対応に重大な問題が見られたことは大変遺憾だ。本件を重く受け止め、こうした事態を二度と起こさないよう抜本的な改善を求める。金融庁としては、企業文化や経営のあり方まで踏み込んで必要な改善が進んでいるか丁寧に見ていく」と述べました。