金沢と被災地域結ぶ北陸鉄道の特急バス 一部で運行再開

能登半島地震の影響で運休となっていた、金沢市と被災した地域を結ぶバスの運行が25日から一部で再開しました。

運行を再開したのは北陸鉄道の特急バスで、いずれも金沢駅を発着し、輪島市、珠洲市、能登町を結ぶ3つの路線です。

能登半島地震で各地で道路が損傷したことなどを受け、北陸鉄道は能登地域を通る多くのバスの運行を取りやめていました。

一部で道路の復旧が進んだことから、金沢市に避難している人たちが一時的に自宅などに戻るのを支援しようと路線を限定して特急バスを再開することを決めました。

25日朝は金沢駅西口の乗り場で、輪島市に向かうバスに乗り込む人や運行時刻を確認する人の姿が見られました。

輪島市を結ぶ便は一日2往復、能登町と珠洲市の便はそれぞれ一日1往復が予定されています。

約1か月間 被災者と親族の乗車優先 運賃無料

およそ1か月の間は、被災者とその親族の乗車が優先されていずれの路線も運賃は無料となっています。

バスを利用する予定だという輪島市の70代の女性は「運行再開はとてもありがたいです。今週末に、このバスで被災した自宅に帰り、服や必要な日用品などを取りに行きます」と話していました。

北陸鉄道の宮岸武司社長は「地震で車が被災した人も多いと聞いています。バスが必要な人たちにぜひ利用してほしいです」と話していました。

バス運行再開で輪島市では

輪島市では、市役所付近の駐車場に臨時のバス停が設けられ、昼ごろに到着したバスでは久しぶりに戻って来た人の姿が見られました。

このうち30代の女性は、「2週間ぶりくらいに地元に戻ってきました。心配なことは尽きませんが戻ってこられてうれしいです」と話していました。

また、金沢方面へ向かうバスにも人が乗り込んでいました。

70代の女性は、「金沢のホテルでお風呂に入ります。断水の影響が続いていてゆっくりお風呂に入ることができるのは久しぶりなので、リフレッシュして一日でもいろいろなことを忘れたいです。車も運転免許も持っていないので、バスが再開されてよかったです」と話していました。

40代の女性は「金沢で日用品を買ったあと、久しぶりに友人に会います。震災の後、通行止めなどが不安で車での移動にはためらいがあったので、バスの再開を待ちわびていました」と話していました。