日本海側中心に大雪 西日本や北陸など積雪平年の3倍超 注意を

冬型の気圧配置の影響で日本海側を中心に大雪となり、西日本や北陸などでは積雪が平年の3倍を超えているところがあります。引き続き交通への影響のほか、除雪作業中の事故などにも注意してください。

気象庁によりますと強い冬型の気圧配置が続いている影響で、日本海側を中心に雪が降り続き、25日朝までの24時間に降った雪の量は
▽宮城県栗原市で61センチ、
▽滋賀県米原市で52センチ、
▽京都府舞鶴市で49センチと、
いずれも1月としては観測史上、最も多くなりました。

午後6時の積雪は
▽岐阜県関ケ原町で47センチ、
▽兵庫県豊岡市で44センチ、
▽金沢市で11センチなどとなっていて、
東海や北陸、西日本の日本海側ではところによって平年の3倍を大きく超えています。

また、北海道では雪を伴って風が強まり、非常に強い風が吹いているところもあります。

冬型の気圧配置は26日にかけて次第に緩む見込みですが、北海道では非常に強い風が吹き、大しけが続く見込みです。

大雪となったところでは25日の日中もあまり気温が上がらず、積もった雪が残り、路面が凍結しているところもあります。

気象庁は引き続き積雪や路面の凍結による交通への影響のほか、雪崩、高波などに注意するよう呼びかけています。

能登半島地震で損傷を受けた建物では雪の重みによる倒壊にも注意が必要です。

積雪の多いところでは除雪作業中の事故にも注意してください。

被災地は厳しい寒さ続く 低体温症にも注意

能登半島地震の被災地でも厳しい寒さが続いていて、26日朝の最低気温は
▽金沢市で1度、
▽輪島市で0度と予想されています。

避難生活の長期化で体調を崩す人が相次ぎ、「災害関連死」の疑いで亡くなった人も確認されています。

引き続き低体温症に注意して、家族や周りに体調を崩している人がいないか声をかけあい、毛布などで体を暖めたり定期的に体を動かしたりするなど体温が下がらないよう対策を心がけてください。

地震活動は依然活発

一方、能登地方やその周辺を震源とする地震の回数は徐々に減少しているものの依然、地震活動が活発な状態が続いています。

震度1以上の揺れを観測した地震は25日午後4時までに1515回に上り、気象庁は今後1週間ほどは最大震度5強程度かそれ以上の地震に注意するよう呼びかけています。

大雪の影響で宅配便などの配送に影響(25日午後5時現在)

【ヤマト運輸】
▽愛知県、静岡県、三重県、岐阜県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県、香川県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、佐賀県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県の25の府県から福井県に配送する荷物や、
▽福井県から25府県に配送する荷物の預かりを停止しています。
また、
▽岐阜県、▽滋賀県、▽京都府、▽北海道のいずれも一部の地域では、荷物の集荷や配達を停止しています。

また、配送に遅れが出ているのは
▽全国から、石川県、富山県、福井県、北海道のいずれも全域と岐阜県、滋賀県、京都府、兵庫県の一部の地域宛てに配送する荷物、
▽石川県、富山県、福井県、北海道のいずれも全域と岐阜県、滋賀県、京都府、兵庫県の一部地域から全国宛てに配送する荷物です。

【佐川急便】
大雪と悪天候によるフェリーの欠航のため、▽北海道と福井県、沖縄県の全域と、▽鹿児島県の奄美市などの離島で遅れが出ています。

【日本郵便】
北海道の稚内市など一部の地域と全国との間で、1週間程度の遅れが出るとしています。
また、福井県と富山県、それに石川県のそれぞれ全域と、全国との間で、2日程度の遅れが出るとしています。
このほか九州地方や滋賀県の一部の地域と、全国との間で、荷物の到着が1日程度遅れるとしています。

JR貨物 貨物列車にも影響

この大雪で貨物列車の運行にも影響が出ています。

JR貨物では、各地を結ぶ多くの列車で運休が出たほか、26日にかけて出発する貨物列車でも北海道や、本州の日本海側を通過する列車を中心に、運休する列車が出る見込みだということです。

トヨタ 5つの工場で稼働停止

トヨタ自動車は、今回の大雪の影響で物流が乱れ、部品の確保に支障が出たとして、25日愛知県と三重県の5つの工場の合わせて8つの生産ラインで稼働を停止しました。

26日はいずれの工場でも稼働を再開させる方針です。

トヨタによりますと、愛知県にある、元町工場、堤工場の5つの生産ラインが25日朝から稼働を停止しているということです。

さらに午後からは愛知県にある田原工場、子会社のトヨタ車体の富士松工場、三重県にあるいなべ工場の3つの生産ラインも稼働を停止しました。

稼働停止の理由について、トヨタでは、大雪の影響で物流が乱れ、生産に必要な部品が確保できなかったためと説明しています。

一方で、26日は部品の調達にメドがついたことから、いずれの工場でも稼働を再開させるとしています。