【25日詳細】ガザ地区 住民避難の国連施設が攻撃受ける

イスラエル軍はイスラム組織ハマスの重要な拠点があるとするガザ地区南部への攻勢を強めています。
国連はガザ地区の国連の施設に避難していた住民がこれまでに少なくとも340人死亡したとしていて、深刻な人道危機が広がっています。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間1月25日の動きを、随時更新してお伝えします。

イスラエル軍は、ハマスの重要な拠点があるとするガザ地区南部のハンユニスへの空爆や地上部隊による攻勢を強めています。

“ハンユニスの国連避難施設が炎上 9人死亡” UNRWA代表

こうした中、ハンユニスにある国連の避難施設が24日、戦車による攻撃を受けて炎上し、9人が死亡し、75人がけがをしたとUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関ガザ事務所の代表が明らかにしました。

アメリカの国家安全保障会議の報道官は24日、声明を発表し「国連の施設が攻撃を受けたとの報告に深刻な懸念を抱いている」と述べました。

国連は24日、これまでにガザ地区で国連の施設に住民120万人が避難し、少なくとも340人が死亡し、1100人以上がけがをしたと発表しました。

一方、カタールやエジプトの仲介で、人質の解放のための戦闘休止について協議が行われています。

アメリカ政府は中東地域を担当する高官がエジプトに続いてカタールの首都ドーハを訪問し、交渉にあたっていることを明らかにしました。

しかし、イスラエルのネタニヤフ首相がカタールはハマスを支援しているとして不信感を表していたことが地元メディアで報じられ、これにカタールが反発するなど仲介国との間の不協和音もあらわになっていて、交渉の進展は見通せない状況が続いています。

死者数2万5700人に ガザ地区保健当局

ガザ地区の保健当局は24日、過去24時間に210人が死亡し、これまでの死者数は2万5700人にのぼったとしています。

戦闘休止について協議は…

カタールやエジプトの仲介で、人質の解放のための戦闘休止について協議が行われていて、イスラエル国内では、人質の解放を優先するよう求める声も高まっています。

ただ、イスラエルの有力メディア「ハーレツ」は関係者の話として「合意にはほど遠く時間がかかるだろう」として停戦の期間など重要な問題について双方の隔たりが大きいと伝えていて、交渉の進展は見通せない状況です。

米カービー調整官 “戦闘休止を最重要課題として協議”

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は24日、記者会見で、中東地域を担当するマクガーク調整官が、23日にエジプトの首都カイロを訪れたのに続いてカタールの首都ドーハを訪問していると明らかにしました。

カービー調整官は「私たちは支援物資を搬入するとともに、人びとを解放できるようにするため、新たな戦闘休止を望んでいる。非常に冷静で真剣な議論が行われている」と述べてマクガーク氏が人質の解放などに向けた戦闘休止を最重要課題として協議を続けているという認識を示しました。

南アがイスラエルの軍事作戦停止など求めた訴訟 26日に判断へ

ガザ地区でイスラエル軍が続ける攻撃が、パレスチナ人に対するジェノサイドにあたるとして、南アフリカは先月、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所に提訴し、最終的な判決までの間、暫定的な措置として、軍事作戦の即時停止などをイスラエルに命令するよう求めています。

この訴訟について、国際司法裁判所は、作戦停止を命じる暫定的な措置を出すかどうかの判断を26日に示すと、24日発表しました。

訴訟をめぐっては今月11日から2日間行われた審理で、南アフリカ側が、パレスチナの市民の命を守るためだとしてイスラエルの軍事作戦の停止を強く求めた一方、イスラエル側は作戦は市民ではなくイスラム組織ハマスを相手にしたものだなどと正当性を主張していました。

国連の主要機関で「世界法廷」とも呼ばれる国際司法裁判所の判断は国際法上、拘束力があるとされ、裁判所の判断が注目されています。