自民 安倍派の衆参両院の委員長など 大半交代の方向で調整

通常国会の召集を前に、立憲民主党など野党4党は24日、自民党に対し派閥からキックバックを受けていた議員は事実関係を説明し、常任委員長などの役職を辞任するよう求めました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は「裏金に関与していたなら役職を辞してほしい。つまびらかにしないなら委員会の運営は通常どおりにいかない」と述べました。

こうした中、安倍派に所属する末松 参議院予算委員長が辞任する意向を示し、予算委員会の集中審議では自民党の筆頭理事が職務を代行しました。

岸田総理大臣は「委員会の運営に影響が出ていることを重く受け止めなければならない。ほかの委員会でどうするかは国会の関係者などとも相談して対応すべき課題だ」と述べました。

自民党は、新年度予算案などの審議を円滑に進めるため野党側の要求を踏まえ安倍派の議員が務める衆参両院の委員長などの大半を交代させる方向で調整しています。

一方、自民党は25日に臨時の総務会を開き「政治刷新本部」の中間とりまとめを決定する予定です。

派閥がカネと人事から完全に決別することが柱で、政治資金パーティーの開催禁止や人事の働きかけを行わないことなどを通じて国民の信頼回復を図りたい考えです。

立憲民主党の長妻政務調査会長は記者会見で「自民党の中間とりまとめの案は、はじめから期待はしていなかったが、予想以上に話にならない。政治家への責任の取らせ方はほぼゼロで、法的に会計責任者と同等の責任を負わせることがない。パーティー券の公開基準を引き下げることも決定されず、透明性も話にならない。本丸の企業・団体献金についても、禁止の『き』の字もない。すでにやっていて当然のことばかりが並んでいる」と批判しました。

そのうえで「派閥を解散すれば、今回のような問題がなくなるわけではない。ことしこそ、カネに汚い自民党政治を終わらせるため、全力で取り組んでいきたい」と述べました。

公明党の北側副代表は記者会見で「派閥の政治資金パーティーを禁止し、カネと人事を派閥の機能から除外すると判断したことは評価できる。ただ、政治資金の透明性の確保や『連座制』も含め、政治家の法的責任をどうするかなどは踏み込まれておらず、自民党としての具体的な考え方を出してもらいたい」と述べました。

一方、自民党執行部が、立件されていない安倍派幹部の処分を検討していることについて「自民党の問題だが、責任を明確化する観点でしっかり検討してもらいたい」と述べました。

教育無償化を実現する会の前原代表は、記者会見で「今までのけじめをしっかりつけず、派閥の解消で争点をずらすような状況になってはいけない。自民党総裁である岸田総理大臣が、党のすべての国会議員に裏金や未記載がないのか、しっかり報告をさせることが大事で、それがないまま、自民党が『新たな出発』となるのは到底納得できない」と述べました。