【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月25日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる25日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“軍用機のブラックボックス回収” ロシアの国営通信社

ロシア軍の軍用機が墜落し、ウクライナ人の捕虜などが死亡したとされる事件について、ロシアの国営通信社は飛行データなどを記録した「ブラックボックス」が回収されたとしています。

ウクライナ側は「国際的な調査を要請する」としていますが、ロシア側はウクライナ軍が撃墜したと主張し、非難を強めています。

ロシア国防省は24日、ウクライナ側との捕虜交換のために向かったロシア軍の軍用機が、ウクライナと国境を接する西部のベルゴロド州でウクライナ側から対空ミサイルで撃墜されたと発表しました。

軍用機には捕虜となっていたウクライナ軍の兵士65人とロシア軍の乗員など9人の合わせて74人が乗っていて、全員が死亡したとしています。

ロシアの国営通信社は25日、墜落した現場から飛行データなどを記録した「ブラックボックス」が回収されたとしていて、今後、ロシア国防省で分析され、墜落の原因を調べる予定だと伝えています。

一方、ウクライナ側は軍用機の墜落への関与については明言を避けていて、ゼレンスキー大統領は24日ロシア側を非難するとともに「国際的な調査を要請する」と主張しました。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日「国際的な調査というのなら、ウクライナの犯罪行為に対する調査は間違いなく必要だ」と述べウクライナ側を非難しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は24日「ロシアはウクライナ国内で不満を植え付けるとともに軍事支援を続ける欧米側の意思を弱体化させようとしている」と指摘しています。

ゼレンスキー大統領「国際的な調査を要請する」

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、公開した動画で、「ロシアが、ウクライナ人の捕虜の命や、家族の感情、そして、われわれの社会をもてあそんでいることは明らかだ。すべての事実が明らかにされなければならない」と述べロシア側を非難しました。

そして、ウクライナ保安庁が、あらゆる状況を調査しているとしたうえで「わが国は国際的な調査を要請する」と述べ、軍用機がロシア領内で墜落したことも踏まえ、各国の協力も得た上で、真相究明に向けた調査が行われるべきだと主張しました。

ロシア国防省“軍用機が撃墜された” 捕虜など74人全員死亡か

ロシア国防省は24日、ウクライナ側との捕虜交換のためにモスクワ近郊の空軍基地を出発したロシア軍の軍用機が、ウクライナと国境を接する西部のベルゴロド州で墜落したと発表しました。

墜落したのは、イリューシン76型輸送機で、捕虜となっていたウクライナ軍の兵士65人と、ロシア軍の乗員など9人の合わせて74人が乗り、全員が死亡したとしています。

ロシア国防省は「ウクライナ東部ハルキウ州からウクライナ軍が発射した対空ミサイルで破壊された」として、ウクライナ軍がベルゴロド州に隣接するウクライナ側の州から発射した2発のミサイルによって撃墜されたとしています。

ウクライナ側「ロシア側の計画的かつ意図的な行動」

ウクライナ国防省の情報総局は24日SNSに「ウクライナは、この飛行機に誰が何人乗っていたか、信頼できる情報を持っていない」と投稿し軍用機の墜落への関与については明言を避けました。

そのうえでウクライナ側は、交換される捕虜の移送ルートなどについてロシアから知らされていなかったとしたうえで「ウクライナ情勢を不安定化させ、わが国に対する国際的な支持を弱めることを目的にしたロシア側の計画的かつ意図的な行動を示しているだろう」と主張しています。

ロシア外相「ウクライナによってテロ攻撃が行われた」

ニューヨークの国連本部を訪問していたロシアのラブロフ外相は24日、記者団に対し「ウクライナによってテロ攻撃が行われた」と述べウクライナ側から対空ミサイルが発射され、ロシア軍の軍用機に乗っていた全員が死亡したと非難しました。

そのうえで国連安全保障理事会の議長国に対し、対応を協議する緊急会合の開催を要請したと明らかにしました。