「徴用」めぐる裁判 供託金差し押さえ認める 原告側が明らかに

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、日立造船に賠償を命じる判決が確定した裁判の原告側は、韓国の裁判所に申し立てていた、日立造船の供託金の差し押さえを認める決定が出されたと明らかにしました。

「徴用」をめぐる問題で、日立造船に損害賠償を求めて訴えをおこした原告側は先月、賠償を支払うよう命じる判決が確定したことを受けて、裁判の過程で日立造船が韓国の裁判所に預けた供託金の差し押さえを申し立てました。

これについて原告側は、裁判所が差し押さえを認める決定を出したと、24日明らかにし、供託金を賠償にあてたいとしています。

供託金は、日立造船が韓国国内にある資産の差し押さえなどの強制執行を防ぐために納めていたものです。

ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権は、政府傘下の財団が日本企業に代わって、一連の裁判で判決が確定した原告側に支払いを行う方針を示していて、日本企業による支払いはこれまで行われていません。

日本政府は「徴用」をめぐる問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場で、供託金が最終的に原告側に渡ることになれば、日本側の反発も予想されます。

日立造船「コメントできることはない」

この裁判の原告側が日立造船の供託金の差し押さえを認める決定が出されたと明らかにしたことについて、日立造船は「事実関係の確認ができていないのでコメントできることはない」としています。