食事提供めぐり2次避難断念 被災住宅で生活続ける人も 石川

石川県の被災した地域では、2次避難を希望しているものの避難先で食事が提供されないことから、被災した住宅での生活を続けているという声が上がっています。

石川県珠洲市の沿岸部に住む80代の両親がいるという40代の女性によりますと、両親の自宅は地震の揺れにより屋根が落ちたり、壁が崩れたりしたため、一度は避難所に行きましたが、母親が足が悪く歩行に介助が必要で、トイレのたびに避難所を移動する負担が大きく、現在は自宅に戻って生活をしています。

これまで両親の食事や洗濯などの世話をしていた別の親族の仕事の都合で珠洲市内から出られずにいましたが、このまま壊れた自宅に住み続けるのは危険なため、2次避難をしたいと、今月20日に石川県の窓口に相談しました。

しかし、担当者から「県内に食事が提供できる2次避難先はない」と説明を受けたため、食事付きを希望したところ、「2月下旬から1か月間であれば石川県加賀市で食事付きの2次避難先がある」と提案されたということです。

珠洲市から加賀市までは車で3時間以上かかり、親族でサポートすることが難しくなることから2次避難を断念し、現在は、民間の賃貸住宅を活用した「みなし仮設住宅」など、別の制度の利用を検討しているということです。

40代の娘は、「国は『2次避難先でも、被災地の避難所と同じように衣食住の提供などの支援が行われるよう徹底する』と発信していますが、実際にはそれが徹底されていないと感じた。余震によっていつ自宅が崩れるかも分からず、高齢者など避難を希望する人たちが安心して生活できる避難先を確保してほしい」と話していました。